レンタルオフィスとは? 種類と特徴・メリットとデメリットについて

2021年4月6日 2023年11月14日

「レンタルオフィス」という言葉は聞いたことがあるけれども、詳しい内容までは知らないという方は多いのではないでしょうか。一昔前は格安レンタルオフィスが主流でしたが、今では高級感のあるレンタルオフィスやハイグレードビル内にあるシェアオフィスまで種類も多く、選択肢が豊富になりました。
なかでも、自宅からのアクセスがよい主要駅の近くで展開し、いつでも利用できる共有型の「レンタルオフィス」は、働く時間・場所を有効に且つ柔軟に選択できるとして人気を集めています。 ICT(情報通信技術)を活用し、本来勤務(所属)しているオフィスとは別のオフィスで働くことが当たり前に出来るようになった今、本社でも、自宅でもないサードプレイスとして利用できるレンタルオフィスの特徴について紹介します。

【目次】
1. レンタルオフィスの種類とそれぞれの特徴
2. レンタルオフィスの料金体系と契約期間
3. レンタルオフィスの利用がおすすめな方
4. レンタルオフィスのメリットとデメリットについて
5.まとめ
オフィスのあり方、その利用方法が大きく変化している今、「レンタルオフィス」が注目されています

ひと昔前まではスタートアップの会社が使うイメージが強かったレンタルオフィスも、今では高級感のあるものや、100名規模の収容人数が可能な執務室を用意したオフィスなどが増え、多くの企業に認知されるようになってきました。特に昨今は多くのレンタルオフィスブランドが誕生し、サービス内容も各種様々です。
レンタルオフィス、サテライトオフィス、シェアオフィス、サービスオフィス…等々、運営する会社の捉え方によっても様々で、呼称も異なります。これらの共有型のオフィスでは、ビジネスに必要な設備が充実し環境が整っています。運営会社によってサービスが異なりますので、ご利用前に、契約条件・使える施設・オフィスルール・課金対象のサービスなどを確認しておく必要があります。また、他社との共有で利用する施設ですのでセキュリティ面に関してもチェックが必要です。

月額利用料を支払い専用の個室を利用できるビジネス環境が整った施設。インターネット・デスク・椅子などが既に用意されているため、入居開始日からすぐに仕事ができる点や、専用個室は1名用から100名規模の大部屋まで用意されている点が、一般的な賃貸事務所との違いになります。専有できる個室の契約が可能なため、特定の業種の許認可が取得が可能です。同じグループ会社が経営しているレンタルオフィスブランドでも、ビルグレードやサービス内容がオフィス毎に多少異なっている場合がありますので細かな点についてはチェックしておく必要があるでしょう。一般的に契約社(者)単位で専有できる執務室以外に、付帯サービスとして共有で使える施設や設備等を使えることが多くバリエーションも豊富です。水道光熱費は料金に含まれている場合が多いため、コスト面でも安心できます。
また、レンタルオフィスの一種として「サービスオフィス」があります。サービスオフィスはレンタルオフィスの施設面に加え事務代行サポートが充実していることが特徴です。受付・コンシェルジュ業務を行うスタッフが常駐しており、来客対応や郵便物の授受を行ってもらうことができたり、バイリンガルのサービスサポートが標準で整えられたりなど各運営会社によって特色が異なります。

【レンタルオフィスの特徴】

      ✅ オフィス家具や通信インフラが既に整っているので、スピーディーに事業の開始が可能
      ✅ 住所利用、法人登記が可能
      ✅ 自社専用の個室(執務室)をもてる。1名用~100名規模等のバリエーションがある
      ✅ 会議室やその他設備は共有で使える(※1)
      ✅ 光熱費等は共益費に含まれている場合が多い(※2)
      ✅ 特定の業種の許認可申請が可能(※3)
      ✅ 事務代行サポートなどのサービス面は、各運営会社によって特色がある
(※1)共有で使える会議室やその他設備は、運営会社によっては課金制の場合がありますので注意が必要です。
(※2)水道光熱費は共益費に含まれていることが多いが、空調は時間制で課金される場合がありますので注意が必要です。
(※3)不動産業・士業・人材派遣業の方は許認可に一定の広さの専有個室が必要ですが、詳しくは各申請先へご確認下さい。

シェアオフィスは、オフィス空間を複数の人や企業が共用するフリーアドレスのワークスペースです。ビジネス環境が整っている点ではレンタルオフィスと同じですが、オープンスペースという点が特徴になっており専有の個室(執務室)はありません。専有スペースがないためPCの画面が見られてしまう可能性や、電話の話し声の配慮など、セキュリティ面で不安を感じるケースについては想定しておく必要があります。また、使いたいときに空いてる席が必ずしもあるとは限らない点は注意が必要となりますが、レンタルオフィスより安価な価格帯で設定されているため上手く使えばコスト面での恩恵は大きいものがあります。
同じ総称として「コワーキングオフィス」がありますが、利用者同士が交流を図り、コミュニティを形成することをコンセプトにしている場合が多く、よりクリエイター系の方が集まる傾向があり、イベントの開催などを積極的に行っている運営会社もあります。施設名称を表す場合もあり、レンタルオフィス内の一部の施設をコワーキング(エリア・スペース)と呼称している場合もあります。

【シェアオフィス / コワーキングオフィスの特徴】

      ✅ 自社専用のスペース(個室)がない
      ✅ レンタルオフィスより比較的料金が安価
      ✅ 物理的な交流の場や、イベント開催などにより人脈が広がる機会が期待できる
レンタルオフィスとシェアオフィスの違いについては、『レンタルオフィスとシェアオフィスの違いとは?特徴を徹底比較』をご参照ください。

都市型サテライトオフィスと地方サテライトオフィスに分けられます。

都市型サテライトオフィス

主に都市部の企業等が本社から離れたところに設置する遠隔勤務のためのオフィスの総称をいいます。本拠地のオフィスから離れたところに設置した共用オフィスで就業する施設のこと。
※ 所属するオフィス以外、遠隔勤務用など本社から離れた「場所」という点がポイントですので、「本社から離れた施設」であれば、レンタルオフィス、シェアオフィスなどの共有型オフィスを「利用すること」も含まれる概念です。

(特徴)都市型のサテライトオフィスは本社以外で働ける場所を意味し、主に従業員の利便性のために利用されます。

地方型サテライトオフィス

地方に設置された、本社から離れたオフィスのこと。

(特徴)人口減少の進んだ地方への企業誘致や地方創生のために設置されるオフィスです。

ホームページの住所表記や法人登記など、住所を利用する目的で利用されるオフィスのこと。基本的に実際の物理的なオフィス利用は想定されていないため、作業等ができる専有の執務室がないことが特徴です。運営会社によっては、会議室やシェアオフィスなどの共有施設が使える場合があります。

【バーチャルオフィスの特徴】

      ✅ 自社専用のスペース(個室)がない
      ✅ 住所や電話番号を利用する目的で利用できる

レンタルオフィスの運営会社によって料金体系は様々です。料金プランについては各運営会社に納得のいくまで説明してもらうのが良いでしょう。また契約期間は一般的な賃貸事務所より短いケースが多いですが、解約申告が何か月前なのか、契約期間満了後は自動的に契約が更新されるのか、更新する場合は更新料が発生するのかなど確認しておく必要があります。

一般的な賃貸事務所と同じくレンタルオフィスも「立地」や「ビルグレード」等によって、たとえ同じ運営会社のブランドのレンタルオフィスだとしても費用感に違いがあります。また各レンタルオフィスのコンセプトによっても費用感に違いがあります。特に主要都市の人気エリアや築浅の物件は高くなる傾向があります。格安を売りにしているレンタルオフィスの場合は1名につき約3万円台からあるようですが、ハイグレードビルや高級路線のレンタルオフィスの場合は1名につき約10万円台が相場になってきます。またオフィス内の共有施設の充実度や、内装、付帯サービスなどによって料金は様々です。大人数で利用する場合はボリュームディスカウントの相談に乗ってもらえることもあります。定期的に入会キャンペーンを実施しているレンタルオフィスが多いため、相談されることをお勧めします。

初期費用について
賃貸事務所は初期費用が高額になりがちです。敷金(保証金)は最低でも賃料の6か月分はかかるでしょう。加えてデスク等の什器代金や内装費用、インフラ開通費用等々が発生します。レンタルオフィスの場合は、保証金が3か月分程度で済みますし、デスク等の什器やインターネット環境はすでに整えられていますので初期コストを下げることができます。
退去費用について
賃貸事務所は退去時の原状回復費用も高額になる場合があります。入居時にかかった内装費用に近い金額がかかる場合もありますので注意が必要です。レンタルオフィスの場合は、入居時に内装費用をかける必要がないため賃貸事務所に比べて退去時のコストダウンも期待できます。

一般的な賃貸事務所より短期間での契約が可能なことが多いです。賃貸事務所が2年~5年のスパンが多い中、レンタルオフィスの場合は、平均的に半年から1年が多いですが、最低3か月程度から可能なオフィスもあります。利用状況に応じて相談されることをお勧めします。

レンタルオフィスは様々な業種の方が利用していますが、実際にはどのような方が利用しているのでしょうか。

フレキシブルなワークスタイルを模索している。でも、機密性を兼ね備えたオフィス空間も必要。なんてことで悩んでいる方にレンタルオフィスはおすすめです。法人用のサテライトオフィスとしてもおすすめです。オフィスのあり方について見直しを検討されている企業様は、少なくありません。セキュリティを重視し多様性のある豊富なワークスペースが売りのレンタルオフィスも多くあります。自社で多くの賃貸事務所を設けるよりも、レンタルオフィスを便利に使う方がコスト的にも従業員の満足度も高まるでしょう。

オフィスの分散化対策には所謂「BCP対策」としての「企業の事業継続」の意図があります。緊急事態でも企業が事業を継続できるようにオフィスを分散化させておくというのはリスク管理の面からしても重要です。事業が一時的に停止したとしても、早期に復旧できるようにしておくためにレンタルオフィスを活用するケースがあります。常日頃、テレワークやサテライトオフィスとして活用しつつ、有事の時にはレンタルオフィスも上手く利用しスムーズに対応できるようにしてはいかがでしょうか。

一定期間のみのプロジェクトの場合、新たに賃貸事務所を契約するのは困難です。そのような場合にレンタルオフィスは最適です。短期での利用が可能な上に、オフィス環境がある程度整っているため、入居時の初期費用や退去時の費用が軽減できます。また水道光熱費などの変動費が固定費に含まれている場合が多いため、予算の把握が容易で計画を立てやすいことも理由のひとつです。

賃貸事務所と比較して、小人数の利用でも、ハイグレードビルへオフィスを構えることができるのがレンタルオフィスの魅力です。また共有で使える会議室やスペースがあるため、施設としては十分です。また従業員の増員などもレンタルオフィスであればすぐに対応が可能な場合が多く、専有の個室の増減を柔軟に対応できるのがレンタルオフィスの特色です。

今や様々な業種の方が利用しているレンタルオフィスですが、メリット・デメリットについて考えてみましょう。プロジェクトや業務で急にワークスペースが必要になったり、今使っているオフィスが一時的に手狭になったときなど、短期間でも利用できる「レンタルオフィス」は重宝されています。フレキシブルにワークスペースの契約が出来る点や、什器や内装なども一定のレベルで既に用意されていることから、多くの企業が利用しています。オフィス探しをする際は、限られた時間の中でいかにスムーズに業務を開始できるかもポイントになってきます。レンタルオフィスは「時短」や「オフィス空間のデザイン性」に特化していますので、多くの企業様がご利用されているのも頷けます。
またレンタルオフィスの共有設備は、昨今素晴らしい内装のものが多く働き手のモチベーションが上がるような工夫が施されています。新しいワークスタイルに適した設備や、自然とコミュニケーションが図れるようなラウンジ空間など、どれも各運営会社のこだわりを感じることができます。オフィスを選択する際は、デザインが決め手となる場合も多く見られます。
逆に、レンタルオフィスを検討する上でデメリット面も考慮する必要があります。一般的な賃貸事務所に比べ、自由な内装工事は難しいでしょう。また共有で使える施設や空間が多い為コストカットができるものの、混雑していて中々使うことができない場合もあります。自社の使用頻度に応じて、予約率や空き状況がどの程度なのか、契約前に必ず確認しておきたいですね。また利用時間が24時間でない場合もありますので、レンタルオフィスの運営時間についてもチェックが必要です。

✅ 初期コスト・退去コストが安価である点
✅ オフィス機能が既に整っているので、直ぐにビジネスをスタート出来る点
✅ フレキシブルに事務所面積の増減が可能な点
✅ 一等地にあるハイグレードビルに事務所を設置できる点
✅ 多様な設備やワークスペースが揃っている点
✅ 短期間契約が可能な点

✅ 自由な内装工事ができない場合がある点
✅ 共有スペースや会議室が埋まっていることがある点
✅ 空調が一定時間しか使えない場合がある点
✅ 利用時間が決まっている場合がある点
✅ 共有スペースに活気がありすぎてうるさい時がある点

以上のように、レンタルオフィスでは共有施設の充実度や専有の個室の有無等、多種多様なサービスがありますが、一般的な賃貸事務所よりも短期間の契約が可能であり、既にビジネス環境が整っているので内装工事が不要というメリットがあります。契約面積も専有部分のみという点で、コスト軽減につなげることができます。

次回は、それぞれの新しい働き方とテレワークのメリット・デメリットについてについてお話をしたいと思います。