サテライトオフィスとは?3つの種類・メリット・課題点を徹底解説!
2023年5月19日
近年、多くの企業が導入を検討している職場の在り方の1つとして、「サテライトオフィス」という言葉を耳にしたことのある方は多いでしょう。
サテライトオフィスとは、企業が従業員の働き方改革や地方創生を促すために、本社から離れた場所に設置する小規模なオフィスのことです。しかし、サテライトオフィスの具体的な中身については、まだ十分に把握できていない方も少なくありません。
当記事ではサテライトオフィスの概要や主な3つの種類、サテライトオフィスを活用するメリットと課題点について解説します。
1. サテライトオフィスとは?主な3つの種類について
サテライトオフィスとは、企業や団体の主要なオフィスから離れた場所に設けられた小規模なオフィスのことです。
サテライトオフィスが注目されている理由の1つは、働き方改革の推進です。働く場所や時間を自由に選択できるサテライトオフィスは、仕事によるストレスの軽減や従業員の満足度向上が期待でき、生産性のアップや離職率の低下が見込めるでしょう。加えて、地方にサテライトオフィスを設置すれば、地域の雇用創出や人口流入にも貢献できます。
また、新型コロナウイルスの感染拡大以降、企業はテレワークやリモートワークを導入することが一般的となりました。サテライトオフィスはその中間的な働き方としても注目されています。従業員が自宅とオフィスの両方で仕事をするハイブリッドワークを実現し、柔軟な働き方をサポートできるためです。
これらの理由から、サテライトオフィスの注目度は高まっており、今後もその普及が期待されています。
なお、サテライトオフィスは、設置する場所によって「都市型」「郊外型」「地方型」の3種類に分けることができます。
1-1. 種類(1)都市型サテライトオフィス
都市型サテライトオフィスは、都市部に設置されるタイプのサテライトオフィスです。
主に、ビジネス街や駅周辺に立地しており、利便性が高いことが特徴です。このため、従業員は通勤時間の短縮や、ビジネスパートナーとの打ち合わせを設定しやすい場所で働くことができます。
本社とは異なる機能を持たせた拠点として利用するケースや、地方企業が都市部への支店として設置するケースも少なくありません。ただし、都市部のオフィスには家賃が高い傾向があるため、コスト面での検討も必要です。
1-2. 種類(2)郊外型サテライトオフィス
郊外型サテライトオフィスは、都市から離れた郊外エリアに設置されるタイプのサテライトオフィスです。
ベッドタウンの近くに設けることで、従業員の通勤時間や交通費の削減につながり、仕事とプライベートのバランスも取りやすくなります。
家賃やランニングコストが都市部に比べて低く抑えられることが多いため、経営者にとっても費用対効果が高い選択と言えるでしょう。ただし、郊外エリアは交通アクセスが悪い場合があるため、従業員の居住地や取引先との打ち合わせの利便性には注意が必要です。
1-3. 種類(3)地方型サテライトオフィス
地方型サテライトオフィスは、地方都市や観光地に設置されるタイプのサテライトオフィスです。地方型サテライトオフィスは、地域活性化や地方創生に寄与することを目的としており、地方自治体と連携して設置されるケースが少なくありません。
また、自然豊かな環境で働くことができるため、従業員のメンタルヘルスの向上や、仕事のクオリティ向上も期待できます。ただし、地方都市では交通アクセスや生活インフラが限定的な場合があるため、従業員の生活環境や通勤手段などを考慮する必要もあります。
2. サテライトオフィスを活用するメリット
サテライトオフィスの活用により、企業側にも従業員側にもさまざまなメリットが発生します。ただし、オフィスの種類や事業内容によっては導入に向かない場合もあるため、一般的なメリットが自社にとって利点となるかどうかを見極めることが大切です。
ここでは、サテライトオフィスを活用することで得られる主なメリットを、4つ紹介します。
2-1. 通勤・移動コストが削減する
サテライトオフィスを活用することで、従業員の通勤や移動コストが削減されます。通常、サテライトオフィスは従業員の住むエリアや主要交通機関に近い場所に設置されるため、通勤時間の削減と交通費の抑制が可能です。従業員は通勤ストレスを軽減できる上、地方と本社の移動回数減少により、移動によるタイムロスや出張費なども削減されることがあります。
通勤時間が短縮されることで、従業員は仕事とプライベートのバランスを整えやすくなり、余裕を持った働き方が可能となります。
結果として、従業員の生産性や働く意欲が向上し、企業パフォーマンスの高まりも期待できるでしょう。
2-2. 人材確保・離職率の低下につながる
サテライトオフィスの導入により、人材確保や離職率の低下が期待できます。通勤時間の短縮や柔軟な働き方が実現できるサテライトオフィスは、育児や介護などのライフイベントを抱える従業員にも魅力的です。
従業員が働きやすい環境を整えることで、多様なニーズを持つ人材の確保が容易になり、企業の競争力が向上します。
ワークライフバランスを考慮した働き方が可能となれば、離職率の低下も期待できるでしょう。サテライトオフィスは、人材の採用や定着に大きく寄与し、企業にとって長期的な利点を生み出すことができます。
2-3. 地方創生に貢献できる
サテライトオフィスは、地方創生にも貢献できる点が大きなメリットとして挙げられます。地方にサテライトオフィスを設置することで、地域の雇用機会が増え、都市部から人材流入の促進が期待できるでしょう。これにより、地方都市の活性化や地域経済の拡大につながります。都市部での勤務が難しい、地方の優秀な人材を採用できる点も魅力的です。
また、地方型サテライトオフィスでは、地域の特産品や観光資源を活用したビジネスの展開が可能となります。地域の魅力を全国、あるいは世界に発信する機会が増えれば、企業と地域双方にとって有益な結果をもたらすでしょう。
2-4. BCP(事業継続計画)対策になる
サテライトオフィスは、企業のBCP対策にも有効です。サテライトオフィスは、本社や主要な拠点から離れた場所への設置が一般的であり、自然災害や感染症の拡大など、緊急事態の発生時にも事業の継続や復旧をしやすい環境が整います。
本社が被災した場合でもサテライトオフィスを活用してリモートで業務を行えるため、事業停止リスクを最小限に抑えられるでしょう。
また、サテライトオフィスは通常、分散して設置されるため企業の情報資産も分散され、情報漏えいリスクも低減できます。
3. サテライトオフィスの活用による課題
サテライトオフィスの活用には多くのメリットがある一方で、いくつか課題点も生じるため、注意が必要です。
課題(1)コミュニケーションロス |
サテライトオフィスでは、社員が分散して働くため、直接的なコミュニケーションは減少する傾向にあります。情報共有や意思疎通が不十分になり、チームの連携力低下や業務効率の悪化を招く可能性は否定できません。また、従業員の管理や評価を適正に行いにくくなる点もデメリットです。この課題を解決するためには、リモートワークを前提としたコミュニケーションツールの導入や、定期的なオンラインミーティングの開催が有効です。 |
課題(2)社員のモチベーション低下 |
サテライトオフィスでは、従業員が本社や本拠地から離れた場所で働くことが多く、会社とのつながりが薄れる事態が懸念されます。会社とのつながりを感じにくいと自社への愛着が減ったり、従業員のモチベーションが低下したりして、企業の成長やイノベーションが阻害されかねません。この課題を解決するためには、企業文化を浸透させるための取り組みや、オンラインでの研修・交流イベントの実施が求められます。 |
課題(3)セキュリティリスク |
サテライトオフィスの利用では、情報の漏えいやサイバー攻撃といった、セキュリティリスクの高まりも懸念事項です。特に、リモートワークの環境下では、安全でないネットワークや端末の利用が増えるため、情報漏えいやマルウェア感染などのリスクが高まります。この課題を解決するためには、セキュリティポリシーの策定や徹底、セキュリティ対策を施したITインフラの整備が必要です。 |
まとめ
サテライトオフィスは、柔軟な働き方の実現や多様なニーズへの対応を目指す企業にとって、有効な選択肢の1つです。ただし、活用による課題も十分に理解し、適切な対策を講じることが、サテライトオフィスが本来持つメリットを最大限に引き出すための鍵となります。
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