2025年11月5日 2025年11月4日
「起業したいけれど、オフィスを借りる初期費用が高すぎる」「固定費の負担が重くて、事業資金がなかなか回せない」といった悩みを抱える方は少なくありません。しかし、レンタルオフィスでも条件を満たせば補助金を活用し、資金面の負担を大きく軽減できます。
この記事では、レンタルオフィスで使える代表的な補助金制度の種類をご紹介。さらに、補助金を活用するメリットや申請時の注意点や成功させるためのポイントをわかりやすく解説します。レンタルオフィスの利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
1. レンタルオフィスで補助金を活用できるケースも
2.レンタルオフィス利用で活用できる具体的な補助金制度の例
3.レンタルオフィスで補助金を活用するメリット
4.レンタルオフィスで補助金を利用する際の注意点
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4-1. 契約形態と利用目的を明確にする
4-2. 補助対象期間外の支出は認められない
4-3. 証憑(契約書・領収書・請求書)の提出が必須
4-4. 補助金ごとに対象外項目がある
4-5. 採択後は報告義務がある
6.まとめ
1. レンタルオフィスで補助金を活用できるケースも
ビジネスに使用するオフィスに対して、補助金を出している自治体や団体は多くあります。オフィスというと賃貸をイメージする方が多いかもしれませんが、条件を満たせばレンタルオフィスでも補助金を使えるケースもあります。
補助金を利用できると、自己資金を抑えて起業することが可能です。さまざまな面で費用が必要になりがちな起業初期には、ぜひ積極的に補助金を活用しましょう。
2. レンタルオフィス利用で活用できる具体的な補助金制度の例
レンタルオフィス利用で活用できる補助金制度は多くあります。ここでは、レンタルオフィス利用で活用できる具体的な補助金制度の例を紹介します。
2-1. 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、レンタルオフィス利用の際に利用できる代表的な補助金の1つです。
小規模事業者やフリーランス、個人事業主でも利用できる補助金で、対象となるのは販路開拓や業務効率化に関する取り組みです。創業初期のオフィス確保や営業基盤作りで利用されることが多い補助金でもあります。
レンタルオフィスの費用が「新たな販路開拓のための拠点」として位置づけられる場合には、小規模持続化補助金の対象となりやすいでしょう。申請の際は、事業計画書に「レンタルオフィスを利用することで商談スペースを確保し、顧客対応を強化する」といったような、利用の合理的な理由を盛り込む必要があります。
また、補助金の申請の際には契約書や領収書など証明資料の提出が必須です。小規模事業者持続化補助金に限らず、補助金の利用を検討している場合には、こうした資料を保存しておきましょう。
2-2. 創業支援関連の自治体補助金
多くの自治体では「創業支援」や「起業促進」を目的とした補助金を用意しています。こうした補助金を利用すると、レンタルオフィスやシェアオフィスの利用に対して助成を受けられることがあります。例えば、東京都の「創業助成事業」や大阪府の「起業家グローイングアップ補助金」、福岡県の「ふくおかよかとこ企業支援」といった補助金が一例です。
ただし、一般的に支給額や補助率は自治体ごとに異なるほか、「月額賃料の1/2を最大1年間補助」といったようにレンタルオフィスにかかる全ての経費をまかなえるわけではありません。また、多くの場合「創業5年未満」「従業員数〇名以下」といったように、対象者にも制約があります。
さらに自治体の補助金の場合、対象施設も「自治体が指定するインキュベーション施設のみ」「登録されたレンタルオフィスのみ」といった条件が設定されることも少なくないです。
そのため、これからレンタルオフィスを探す場合には、補助金制度を設けている自治体の施設を利用するのも1つの方法です。
2-3. 事業再構築補助金・DX推進関連補助金
事業再構築補助金は、コロナ禍で打撃を受けた中小企業の新分野展開や業態転換を支援する代表的な補助金です。DX推進補助金などと合わせて、オフィス環境の再整備や新しい働き方を導入する場面で活用できます。
例えば、事業転換の一環として、本社機能の移転や新規事業の拠点設置にレンタルオフィスを利用する場合に対象となりやすい傾向にあります。さらに、リモートワーク体制の導入やクラウドシステム導入に伴う小規模オフィスの開設など、DX関連の取り組みと結びつけると採択されやすいでしょう。
通常の賃料負担を軽減する目的だけでは認められにくいため、新事業のために必要不可欠であることを説明できるよう準備しておく必要があります。
3. レンタルオフィスで補助金を活用するメリット
レンタルオフィスで補助金を活用するのには、さまざまなメリットがあります。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく解説します。
3-1. 初期費用を抑えて事業を始められる
レンタルオフィスで補助金を利用することで、初期費用を抑えて事業を始められます。レンタルオフィスは契約の際に敷金・礼金・保証金が不要なケースがほとんどです。そのため、そのまま契約しても初期費用を抑えられますが、補助金を併用することでさらに開業資金を削減できます。
また、オフィスの環境を整えるためには、家具やインターネット回線の用意も欠かせません。レンタルオフィスでは家具やインターネット回線が料金内に含まれている場合も多いため、補助金を活用することで設備投資の負担も補える可能性があります。
初期投資を抑えられれば、創業初期に資金を本業に回す余裕を作りやすくなるでしょう。
3-2. 柔軟に拠点を構えられる
費用を抑えつつ柔軟に拠点を構えられるのも、補助金を活用してレンタルオフィスを利用するメリットです。補助金の中には短期のオフィス契約でも対象となる制度もあり、状況に応じて柔軟にオフィスを利用できます。
例えば、複数拠点の展開や短期プロジェクトのためのオフィス確保にも活用できるでしょう。必要な期間だけでの利用が可能になるため、無駄な固定費を避けつつ拠点を持てます。
3-3. 資金繰りの安定化につながる
レンタルオフィスを利用する際に補助金を活用すると、資金繰りの安定化にもつながります。補助金を利用することで毎月の賃料の一部が補助金でカバーされるため、固定費負担が軽減されます。
負担が軽減されれば、浮いた資金を人件費や広告宣伝費などの成長投資に回すことも可能です。補助金を利用することでキャッシュフローに余裕ができ、急な支出や新規の投資にも対応しやすくなるでしょう。
4. レンタルオフィスで補助金を利用する際の注意点
レンタルオフィスで補助金を利用する際には、知っておきたい注意点もあります。どのような点に注意すればよいのか、詳しく解説します。
4-1. 契約形態と利用目的を明確にする
レンタルオフィスで補助金を利用するためには、契約形態と利用目的を明確にしておく必要があります。一般的に、補助金には何らかの目的が設定されています。補助金の目的に沿った利用でないと申請は通りません。
また、補助金を申請する際には、レンタルオフィスが事業遂行に必要であることを説明できるかどうかが重要です。単なる作業スペースとしての利用では認められにくいため、必要性を説明できるよう準備しておきましょう。
さらに、レンタルオフィスの契約者は事業主本人でなければならないケースが多くあります。家族名義や個人利用は対象外となりやすいため注意してください。
4-2. 補助対象期間外の支出は認められない
多くの補助金には、対象期間が設けられています。補助金対象期間外の支出は認められないケースが多いため注意しなければなりません。
例えば、補助金の交付決定前や事業終了後に支払った家賃は多くの場合で対象外です。想定していた補助金が受け取れないなどの事態を避けるためにも、契約開始日と補助事業期間の整合性を事前に確認しておきましょう。
4-3. 証憑(契約書・領収書・請求書)の提出が必須
補助金を申請する際には、契約書や領収書、請求書といった証憑の提出が必要になることが多いです。支払いを証明する資料がそろっていなければ、経費計上ができません。補助金の申請だけでなく確定申告の際にも必要となる書類ですので、必ず残しておきましょう。
また、レンタルオフィスの利用料金の支払いでは現金払いはできず、銀行振込やクレジットで支払うのが一般的です。支払いの際の控えなども、念のため残しておくとよいでしょう。
4-4. 補助金ごとに対象外項目がある
補助金は、ほとんどの場合対象となる項目が決まっており、対象外となる項目もあります。例えば、事業者向けの補助金では光熱費や通信費は対象外となることが多いです。また、家具や備品の購入費も、事業専用と認められなければ経費にできません。さらに、私的利用分の計上も不可です。
レンタルオフィスを利用する場合、基本料金にWi-Fiの利用が含まれていれば、家賃の一部として補助金の対象となる可能性があるでしょう。しかし、Wi-Fiの利用料金が別の項目として明細に記載されている場合には、補助金の対象とならない可能性があります。
以上のことから補助金を利用する際には、対象となる項目を確認するとともに、レンタルオフィスの利用明細がどのように記載されるか確認しておくとよいでしょう。
4-5. 採択後は報告義務がある
補助金の採択後は、報告義務を課されることがあります。補助金は後払い方式のケースが多いため、実績報告を正しく行わなければ支給されません。写真や契約期間など、利用状況の証明が求められる場合もあります。
報告用の写真や書類は、後から用意するのが難しいケースも考えられるため、申請時にどのような報告が必要となるのか確認し、適切な書類を用意しておけるよう準備しておかなければなりません。
5. 補助金活用を成功させるためのポイント
補助金活用を成功させるためには、知っておくべきポイントもあります。どのようなポイントを押さえておけばよいのか、詳しく解説します。
5-1. 早めの情報収集とスケジュール管理
補助金の活用を成功させるためには、早めの情報収集とスケジュール管理が欠かせません。補助金は公募期間が決まっていることに加え、申請受付が数週間から数ヶ月と短い場合が多いためです。
募集開始から締切までに事業計画書や見積書、契約書など多くの書類が必要となるため、直前の準備では間に合わないこともあります。さらに、申請が採択されたとしても交付決定前の支出は対象外となるため、契約や支払いをいつ行うかを逆算してスケジュールを組まなければなりません。
最新の情報は中小企業庁や自治体の公式サイト、商工会議所などで告知されているため、定期的に確認しておくと安心です。
5-2. 専門家や支援機関の活用
補助金を申請する際には、専門家や支援機関も上手に活用しましょう。例えば商工会議所や商工会では、補助金申請サポートを無料または低コストで提供しています。
中小企業診断士や行政書士などの専門家であれば、事業計画の作り方や採択されやすい表現などの具体的なアドバイスをしてくれます。実際に、専門家に相談したことで採択率が上がったという事例も少なくありません。
また、採択後の実績報告や書類作成に関してもサポートを受けられる場合があり、補助金の返還リスクを減らすことも可能です。特に初めて補助金を申請する場合には、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
5-3. レンタルオフィス事業者との連携
補助金を利用する際には、レンタルオフィス事業者と連携できるとよりスムーズです。一部のレンタルオフィスでは、補助金に対応した契約プランや支援サービスを提供しています。
例えば、契約期間を補助金の事業期間に合わせられるプランを用意している施設や、領収書や契約書を利用しやすいフォーマットで出力するサポートを実施している施設などがあります。また、事業者によっては補助金活用事例を持っており、参考にできるケースもあるでしょう。
補助金利用を想定している場合には、契約前に補助金の利用実績があるか、必要書類を発行してもらえるかなどを確認しておくと安心です。
6. まとめ
起業や新事業展開の際に費用を抑えつつ柔軟に拠点を構える手段として有効なレンタルオフィスは、補助金を組み合わせることでさらにメリットが広がります。
レンタルオフィスで利用できる補助金には、小規模事業者持続化補助金や創業支援補助金、事業再構築補助金などさまざまな種類があります。上手に活用することで、初期費用の削減や資金繰りの安定につながるでしょう。
ただし、補助金を申請する際には、事前に契約形態や利用目的を明確にするとともに、証憑の準備や対象期間を確認しておく必要があります。また、早めの情報収集やスケジュール管理も欠かせません。初めて申請する場合には、専門家や支援機関を利用するのもおすすめです。
まずはレンタルオフィスでも利用可能な補助金を調べ、自社に合う制度を検討してみてください。
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