2025年7月15日

コストを抑えて開業したい。でも自宅は避けたいし、レンタルオフィスで本当に行政書士登録ができるのか不安」
そんな悩みを持つ方におすすめなのが、レンタルオフィスです。行政書士法では、一定の条件を満たせばレンタルオフィスでの開業も可能とされています。重要なのは、事務所としての実態と行政書士会の登録要件をしっかり満たしているかどうかです。
この記事では、レンタルオフィスでも行政書士として開業できる理由をはじめ、登録に必要な条件や注意点、オフィス選びのポイント、そしてレンタルオフィスを活用するメリットまでを詳しく解説します。
読み進めることで、開業に向けてどのような準備が必要かが明確になり、自信をもって第一歩を踏み出せるようになります。
「レンタルオフィスでの行政書士開業を考えているけれど、何を確認すべきか分からない」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. レンタルオフィスでも行政書士の開業は可能
2. 行政書士会の登録要件を満たす条件の例
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2-1. 独立した事務所空間があること
2-2. 恒常的に業務を行える設備と環境があること
2-3. 事務所の所在が明確であること
2-4. 表札・看板の掲示ができること
2-5. 使用承諾書を提出できること
4.行政書士がレンタルオフィスを利用する際の選び方
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4-1. 登録や登記が認められるか確認する
4-2. 地域や立地が業務に与える影響を考慮する
4-3. 表札や看板の設置ルールを確認する
4-4. 会議室や来客対応の環境を確認する
4-5. セキュリティやプライバシーが確保されているか確認する
4-6. 契約内容に業務制限がないか確認する
4-7. 他の士業や企業と同一住所になる場合には事前に相談する
4-8. 他士業の登録実績があるか確認する
1. レンタルオフィスでも行政書士の開業は可能
行政書士として開業するには専用の事務所が必要とされますが、レンタルオフィスでも開業は可能です。 改行可能な根拠は行政書士法にあり、法律上、事務所としての実態と要件を満たしていれば場所に制限はありません。 特に重要なのは、以下の点を満たしているかどうかです。
加えて、レンタルオフィス運営会社から「使用承諾書(行政書士業務としての利用を認める書類)」を取得できれば、行政書士会も問題なく登録を認めるケースが一般的です。
レンタルオフィスだからといって不利になることはなく、むしろ初期費用を抑えながらスムーズに開業できる選択肢といえるでしょう。

2. 行政書士会の登録要件を満たす条件の例

行政書士として開業するためには、所属する都道府県の行政書士会に登録を行う必要があります。登録にはいくつかの要件がありますが、詳細は各地域で異なるため、事前確認が不可欠です。ここでは、多くの行政書士会で共通して求められている代表的な条件を紹介します。
こうした条件を満たすことで、レンタルオフィスでも問題なく登録可能です。ここでは、上記で例に挙げた条件について、詳しく解説します
2-1. 独立した事務所空間があること
行政書士として登録するには、他者と明確に区切られた独立した事務所空間が必要です。これは、クライアントの個人情報や業務上の秘密を守るために不可欠な条件です。たとえば、フリーアドレスの共有スペースや、パーテーションで区切られただけの机は、プライバシー保護の観点からNGとされます。行政書士会が求めているのは、壁と扉で仕切られた専用の個室であることです。
そのため、レンタルオフィスで開業を検討する際は、必ず「完全個室」があるタイプの施設を選びましょう。なお、外から見えにくいだけの簡易ブースでは要件を満たしません。行政書士業務は、法的書類の作成や相談対応など、秘密保持義務が求められる職種であるため、物理的に独立した空間は登録審査の最重要項目の一つです。
2-2. 恒常的に業務を行える設備と環境があること
事務所が行政書士としての登録要件を満たすには、「いつでも安定して業務が行える設備と環境」が必要です。単なる空間の確保では不十分であり、実際に業務が遂行できる状態であることが求められます。
具体的には、以下のような設備が整っていることが目安です。
たとえば、バーチャルオフィスのように住所だけ借りるスタイルでは、「業務環境がない」と判断される可能性が高いため注意しましょう。
日常的に業務を行えるかどうかは、審査時の重要な評価ポイントです。見た目ではわかりにくいため、写真や設備一覧の提出を求められることもあります
2-3. 事務所の所在が明確であること
事務所の所在地が明確であることも、行政書士登録に欠かせない要件です。行政書士として登録するだけでなく、クライアントとの信頼関係を築くうえでも基本となる要素です。住所は、建物名・部屋番号まで正確に記載されていなければなりません。たとえば「○○ビル 3F」などの曖昧な表記では不十分で「○○ビル301号室」のように、特定の部屋が判別できる状態が必要です。
また、独立した施錠可能な郵便受けがあること、来客の対応が可能なことも確認されます。レンタルオフィスの場合は、受付があるか、転送サービスがあるかといった契約内容の確認も重要です。
行政書士としての信用性を確保するためにも、物理的な「所在の明確さ」は軽視できません。
2-4. 表札・看板の掲示ができること
行政書士としての事務所が対外的に認識されるためには、事務所名や氏名を掲示する必要があります。訪問者が外から見て「ここが行政書士事務所だ」とわかるようになっていることが条件です。
表札や看板の掲示は建物の入口または共有掲示板で行うのが一般的で、必ずしも個別看板である必要はありません。ただし、掲示内容は次のように明確である必要があります。
表札や看板の掲示に制限があるレンタルオフィスもありますので、事前に掲示方法を確認しておくことが重要です。代替手段が用意されているかも合わせて確認しておくとよいでしょう。表札・看板の有無は対外的な信頼感の醸成にもつながるため、実務上も効果的です。
2-5. 使用承諾書を提出できること
行政書士としてレンタルオフィスを利用する際は、その施設が業務利用を認めていることを証明する「使用承諾書」の提出が求められます。使用承諾書は、行政書士会の審査をスムーズに通過するための重要な根拠となります。
施設の契約書に「法人登記可」と記載があっても、行政書士業務のような士業用途に承諾が出るかどうかは別問題です。事前に運営会社へ「行政書士業務で登録する予定だが、使用承諾書は発行してもらえるか」と確認しましょう。
この承諾書がなければ登録申請が却下される場合もあるため、施設選びの初期段階で必ず確認しておくべき項目です。

3. 行政書士がレンタルオフィスを利用するメリット
行政書士がレンタルオフィスを利用するのはなぜでしょうか。ここでは、行政書士がレンタルオフィスを利用するメリットを解説します。
3-1. 初期費用と固定費を抑えられる
行政書士として独立する際、事務所コストは大きな負担となります。しかし、レンタルオフィスを活用すれば、初期費用・月額費用ともに大幅に抑えることが可能です。
通常の賃貸オフィスでは、敷金・礼金・保証金に加え、内装工事や備品購入の費用も発生します。一方、レンタルオフィスでは家具やネット環境が整っており、契約後すぐに業務を開始できます。たとえば、都内の小規模オフィスを借りる場合、初期費用だけで数十万円かかることもありますが、レンタルオフィスなら数万円程度に抑えられることが一般的です。
コストを最小限にしながら、プロフェッショナルな環境を確保できる点は、開業初期の行政書士にとって大きな魅力です。
3-2. 信頼性のある住所を利用できる
「レンタルオフィスの中には都心一等地に拠点を構える施設も多く、開業初期から信頼性のある住所を名刺やホームページに記載できます。
住所はクライアントからの第一印象や信頼感に直結する要素です。自宅住所を使用する場合、プライバシーの問題もありますが、レンタルオフィスを使えばその不安も解消されます。たとえば「東京都千代田区丸の内」などのビジネス街の住所を名乗ることで、業務の信頼性や法人顧客への印象が向上する可能性があります。低コストで高いイメージ戦略を実現できる点は、ブランディングを意識する行政書士にとって大きなメリットだといえるでしょう。
3-3. 仕事とプライベートを切り分けやすくなる
自宅開業と比べて、レンタルオフィスは「仕事の場」として明確に切り分けられるため、オンオフを切り替えやすくなります。特に在宅勤務に慣れていない方や、ご家族と同居している方にとって大きなメリットだといえるでしょう。
プライベート空間と仕事空間を分けることで、集中力の維持や業務効率の向上が期待できます。また、来客対応や電話応対においても、家庭の音や背景を気にする必要がなく、安心して業務に臨める点も魅力です。さらに、住所貸しサービスを提供しているレンタルオフィスであれば、ビジネス用の住所も用意できます。
自宅ではどうしても生活の延長として業務をしてしまいがちですが、物理的に環境を分けることで、プロフェッショナルな意識を保ちやすくなります。
3-4. ネットワークが広がる可能性がある
レンタルオフィスには、他の士業や個人事業主、スタートアップ企業などが多数入居している場合があります。このような環境に身を置くことで、自然と人脈が広がる可能性があります。
たとえば、同じフロアの司法書士や税理士と顔を合わせる機会があれば、業務提携や顧客紹介といった協業が生まれることも珍しくありません。また、施設によっては交流会やビジネスマッチングイベントが開催されることもあり、情報交換や営業チャネルの拡大にもつながります。
一人で開業しても孤立しにくく人的資源を活用しやすい点は、レンタルオフィスならではのメリットです。
4. 行政書士がレンタルオフィスを利用する際の選び方

行政書士がレンタルオフィスを利用する際には、確認すべきポイントがあります。主に以下のようなポイントに注意して、適切な施設を選ぶようにしましょう。
4-1. 登録や登記が認められるか確認する
まず最も重要なのは、そのレンタルオフィスが「行政書士会の登録要件を満たすかどうか」です。法人登記が可能と書かれていても、行政書士の登録が可能とは限らないため注意が必要です。
特に確認すべき点は次の2つです。
「士業不可」などの制限がある施設もあるため、契約前に必ず問い合わせて確認しましょう。
4-2. 地域や立地が業務に与える影響を考慮する
事務所の場所は、単に利便性だけでなく、業務効率や顧客の信頼感にも影響を与える要素です。特に、官公庁へのアクセスや、ターゲットとなる顧客層が多いエリアかどうかは検討すべきポイントだといえるでしょう。
たとえば、役所・法務局・裁判所へのアクセスが良好な場所であれば、書類提出や相談対応がスムーズです。一方で、交通の便が悪かったり、周囲の環境がビジネスにふさわしくなかったりすると、顧客対応に支障が出る可能性もあります。
業務の性質とマッチする立地を選ぶことが、長期的に見て効率的な運営につながります。
4-3. 表札や看板の設置ルールを確認する
行政書士会では、事務所の外部に「行政書士事務所」であることを示す表札や看板の掲示が求められます。したがって、レンタルオフィスを選ぶ際には、表札や看板の設置ルールの確認が欠かせません。
施設によっては「共有掲示板のみ可」や「入口ドアに掲示不可」といった制限があることもあります。また、掲示場所・サイズ・デザインに関して独自のルールが設けられていることもあるため、契約前に細かく確認しておくと安心です。必要に応じて、プレートの制作費や設置手続きも見込んでおきましょう。
4-4. 会議室や来客対応の環境を確認する
クライアントとの打ち合わせや相談業務が発生する行政書士にとって、会議室の有無や来客対応のしやすさは非常に重要です。
判断のためには、次の点を事前に確認するとよいでしょう。
顧客にとっても「落ち着いた空間で話せるかどうか」は信頼性の指標の1つです。接客対応がスムーズに行える環境かどうかをしっかり見極めましょう。
4-5.セキュリティやプライバシーが確保されているか確認する
行政書士の業務には、個人情報や機密文書の取扱いが含まれるため、情報漏洩や盗難への対策が不可欠です。そのため、事務所のセキュリティとプライバシーの確保は、レンタルオフィス選定の大きな基準となります。
確認すべき主なポイントは次の通りです
安心して業務を行える環境であることは、業務の信頼性にも直結します。
4-6. 契約内容に業務制限がないか確認する
レンタルオフィスの契約には、「利用用途の制限」が設けられている場合があります。「士業不可」「面談禁止」「来客対応NG」といった条件があると、行政書士業務に支障が生じるため注意が必要です。
不明点があれば運営会社に直接確認し、書面で記録を残しておくと後のトラブル防止にもなります。
4-7. の士業や企業と同一住所になる場合には事前に相談する
レンタルオフィスでは、1つの住所に複数の士業や企業が入居していることがあります。この場合、行政書士会から「名義貸し」と誤解されるリスクがあるため注意が必要です。
同一住所に行政書士が複数登録されている施設では、事前に行政書士会に相談することで、不要なトラブルを避けられます。あわせて、契約書に「○○号室」というように部屋番号を明記し、独立した事務所であることを示せるようにしておきましょう。
4-8. 他士業の登録実績があるか確認する
すでに行政書士や他の士業がそのレンタルオフィスで登録されている実績があれば、開業準備がスムーズに進む可能性が高まります。
実績がある施設では、行政書士会とのやり取りのポイントを把握しており、使用承諾書の発行や必要な掲示物の用意もスムーズです。施設担当者が士業特有の事情を理解している点も安心材料となります。
そのため、契約前に「士業の登録実績の有無」を確認しておくことをおすすめします。
5. まとめ
レンタルオフィスでの行政書士開業は、行政書士法の要件を満たせば十分に可能です。実態のある事務所として認められるためには、個室空間や業務設備、表札の掲示、使用承諾書の取得など、行政書士会が求める条件を事前に確認することが不可欠です。
レンタルオフィスを活用すれば、初期費用を抑えつつ信頼性のある住所で開業できるうえ、オンオフの切り替えや人脈づくりにもつながる利点があります。
コストや利便性を両立させながら安心して業務を行える環境を整えるためにも、複数の施設を比較し、自身の業務スタイルに合ったオフィスを選びましょう。
「クロスコープ」では、東京に8拠点、仙台に1拠点の計9つのレンタルオフィスを展開しております。各オフィスはエリアの一等地に位置しており、最寄り駅からのアクセスも良好です。事業をサポートする各種サービスも充実しているので、行政書士としての独立をお考えの方は、ぜひこの機会に「クロスコープ」をご活用ください。
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