オフィスセキュリティの対策が重要な理由とは? ~取引条件にセキュリティ対策が含まれる時代へ~

2022年2月18日 2023年2月5日

近年、各企業はオフィスセキュリティを重要視し強化する傾向にあります。自社企業内でのセキュリティ対策だけでなく、取引相手にもセキュリティ対策を講じていることが取引条件としている企業も増えているようです。企業の安全性や信頼性を保つために、どのようセキュリティ対策が必要か、またその背景について考察したいと思います。

オフィスセキュリティ対策が重要視される理由について下記の通りまとめました。

オフィスセキュリティとは企業資産や従業員を守り、事業を円滑に行えるようにするための対策です。各企業は多くの金銭価値のある物品だけでなく技術面における資産や、顧客情報などの情報資産も多く有しています。企業の内部情報や取引先情報などが外部に流出してしまうと、大きな痛手を受ける可能性は十分にあります。そのためオフィスセキュリティ対策は企業そのものの価値だけでなく、取引先や顧客の信頼を守るためにも必要不可欠な対策と言えるでしょう。
✅ 企業の資産を守るため
✅ 従業員を守るため
✅ 取引先や顧客の信頼を守るため

近年、企業の個人情報の漏えいについては大きく取り上げられています。各企業は、顧客情報の取り扱いをより一層対策を講じる必要が出てきています。また、2022年4月から施行された「改正個人情報保護法」もあり、人々の意識の高まりを感じられます。また昨今、企業への不正アクセスなどのサイバー攻撃もよく耳にします。社内サーバーがダウンしたり、機密情報が盗まれるなど甚大な被害が発生しています。このようなことから、各企業は早急にオフィスセキュリティ対策が求められているのです。

では、具体的にオフィスセキュリティ対策には何をするべきなのか考えてみましょう。

オフィスセキュリティには一般的に「人的対策」「物理的対策」「技術的対策」の3つがあると言われています。
●人的対策
「人的対策」とは、従業員にセキュリティ対策についての意識を高めてもらい徹底してもらう対策になります。セキュリティ対策の社内ルールを決め、チェック体制を整えることが重要です。特に「社外への持ち出し」「誰が利用しているか」「どこに保管しているか」「どのように廃棄したか」などについて、まとめると良いでしょう。
●物理的対策
「物理的対策」とは、監視カメラや入退室認証などの物理的な対策になりますので、コスト面も考えて必要な場所に導入すると良いでしょう。またオフィス内のセキュリティゾーニングを決めることも必要となってきます。部署ごとの行き来はできないようなレイアウトにしたり、共用部と各執務室へのアクセスには認証システムを取り入れるなど、個々の社内空間において、入室可能な人を制限することも重要です。
●技術的対策
次に、「技術的対策」ですが、パソコンのIDやパスワードの管理、ウィルスソフトの導入、ネットワークのセキュリティ対策管理など主に情報セキュリティ関連の対策について指します。

✅ 従業員のオフィスセキュリティ意識の向上が必要
✅ 防犯カメラの設置
✅ 認証システムの導入
✅ セキュリティゾーニングの設定
✅ ID・パスワードの管理など

さて、先述したセキュリティゾーニングについてもう少し詳しく説明します。一般的にオフィス内のセキュリティゾーニングは、来客などのゲストもアクセスできる会議室などの共用部、従業員がアクセスできる執務室、ネットワークエンジニアがアクセスできるサーバー室などのセキュリティレベルに合わせてアクセスできる人員を制限しゾーニング構成をします。適切なゾーニングを設計するには、内装工事なども関わってくるため専門業者との打ち合わせやコストもかかってきます。自社に合わせた適切なセキュリティゾーニングを設計する必要があります。
・レベル1:ゲストもアクセスできる会議室などの共用部空間
・レベル2:従業員がアクセスできる執務室
・レベル3:ネットワークエンジニアがアクセスできるサーバー室
などレベルが上になるにつれ、セキュリティを高めるゾーニングにします。

まず大前提として「部外者がどこでも自由にアクセスできるオフィス空間であってはならない」ということです。そしてまた「従業員がオフィス内から外部へ持ち出せるようなセキュリティ設計であってはならない」ということです。関係者のみがアクセスできる入室管理や認証システムの導入や、出入口に監視カメラを設置し不正がすぐに判明するようなオフィスレイアウトにすることが大切です。セキュリティレベルの高い室内を敢えてガラス張りにし、不正をしにくくするという内装レイアウトも効果的です。

レンタルオフィスは、そもそも色々な企業の方が利用することを前提としているため、セキュリティゾーニングがしっかり落とし込まれています。ゲストがアクセスできる空間は受付エリアまで、レンタルオフィス会員が使える共有部にはカード認証、各企業ごとの執務室には生体認証で認証しアクセスするなど、ゾーニングに加え認証方法も工夫されています。また、各出入口には監視カメラが設置され防犯の観点からも安心できるでしょう。

レンタルオフィスに必要なセキュリティ対策、については『レンタルオフィスに必要なセキュリティ対策と重視すべき設備とは?』で詳しく説明をしていますのでご参照ください。

今回は、与信審査とオフィスセキュリティの関係という一見関係のないような両者の関係について、ある経営者の方からお話を伺いましたので、ご紹介したいと思います。

銀行や融資先からの与信審査、新規事業のためのアカウント取得、各種許認可申請などの場面を想像してみてください。相手方の取引先はこの会社と取引を始めてよいか、アカウントを付与してよいか、許認可をしてよいかということを審査する必要があるため会社に関しての調査を行います。情報収集は会社から提出された情報のみだけではなく、情報調査会社などの第三者から提供されるもの、取引履歴なども対象となります。
そして、この調査は取引先を訪問して行う「直接調査」を原則として行います。情報収集に関しての調査はもちろんどのような調査を受けるかケース・バイ・ケースなのですが、大手企業との取引、大きな取引であればあるほど、チェック項目が何百もありかなり膨大なものとなるそうです。直接訪問の際は、オフィスの「セキュリティ」をかなり重視してみるそうです。
その経営者の方は、「本当はものすごい数のチェック項目があったんだけど、防犯カメラなどのセキュリティ設備がしっかりしていたレンタルオフィスに入っていたおかげで、チェック項目が半数は控除され、かなりスムーズに審査がクリアされたんだ!」とお話されていらっしゃいました。
複数の方から同じような体験談をお聞きしたので、やはりオフィスでの「セキュリティ」はますます重要だ、と再認識しました。「セキュリティ」も、顔認証や防犯カメラ、そしてドア開錠などのログがとれる等様々なものがあります。カメラも共用部や廊下のみのタイプと、左記に加えて執務室内などに設置している会社も増えてきているようです。不測の事態が生じた場合でも、個人を特定し解決することが可能となります。
このような「セキュリティ」設備を自社で用意するには、膨大な時間とコストがかかりますが、既に備わっているレンタルオフィスを活用することで解消することが出来ます。また上記のような取引開始前のチェックや書類の準備を省くことが出来るので、結果的に総務・人事の業務量を減らし、コスト削減につながることになります。
このように「レンタルオフィス」でも、オフィスセキュリティのチェック項目に満足できる施設は多くあります。

オフィスセキュリティの重要性は、企業の信頼性や価値を高めるだけでなく、取引先や顧客、また従業員を守るためにも必要なことがお分かりいただけたでしょうか。オフィスを選ぶポイント、オフィスセキュリティを考慮したレイアウトを考える際の参考になれば幸いです。