レンタルオフィスに必要なセキュリティ対策と重視すべき設備とは?
2021年9月6日 2023年1月12日
テレワークの普及によりレンタルオフィスやサテライトオフィスの利用が一般的になってきました。社外のサードプレイスにおけるセキュリティの不安が拭えない人も多いのではないでしょうか。複数の企業が利用するレンタルオフィスでは、ビジネスセキュリティに関して大変気になるところです。会員制のレンタルオフィスは、街中のカフェ、公立の図書館、ホテルラウンジなどとは異なり、見ず知らずの不特定多数が利用する場所ではありません。しかしながら、「他人も利用する場所」であることに違いはなくリスクは伴うでしょう。今回は、レンタルオフィスでのセキュリティ対策に関してお話したいと思います。
1. レンタルオフィスの設備(物理的なセキュリティ編)
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1-1. 完全個室型のレンタルオフィスか?
1-2. 専有できる個室(執務室)の施錠タイプをチェックする
1-3. 入退室管理が導入されているか?
1-4. 有人受付対応か?
1-5. 監視カメラは導入されているか?
1-6. 機密書類の処分は問題ないか?
3. テレワークをする一人ひとりのセキュリティ意識の向上が求められる時代へ
4.まとめ
1. レンタルオフィスの設備(物理的なセキュリティ編)
サテライトオフィスの用途としてレンタルオフィスを利用する場合に、チェックしておくべき物理的なセキュリティポイントについて考えてみましょう。
完全個室型のレンタルオフィスか?
まず、そもそも自社専有で使えるワークスペースが契約できるのか、またそれは完全個室なのか、といったところはクリアしていなければ安心して利用できません。レンタルオフィス・サテライトオフィスは、運営会社によって様々なタイプがありますので、現地へ足を運んで確かめるようにしましょう。
専有できる個室(執務室)の施錠タイプをチェックする
専有できる個室の施錠タイプを確認しましょう。シリンダー錠やカードキーは又貸しが出来てしまうため、不安が残ります。生体認証(指紋認証や顔認証)であれば、セキュリティポリシーをクリアできる企業も多いのでは?各運営会社に確認をしましょう。個別にセキュリティ工事の許可が下りる場合もありますので、自社でセキュリティを用意し取り付けるのも手です。
入退室管理が導入されているか?
会員制のレンタルオフィスでは、共有部分のワークスペースも会員以外は利用出来ないような仕組みがとられています。カード、生体認証などで「メンバー」のみが利用出来るワークスペースの入退室を管理しているレンタルオフィスも多く存在します。セキュリティとは少し脱線しますが、細かい設定も出来るので、同じ社内でも一般社員と役員以上が使えるエリアを分けたり、入退室管理のログをとって勤怠管理などにも利用することもできるようです。
有人受付対応か?
常駐の受付スタッフがいるレンタルオフィスでは、運営側でオフィス施設に目が行き届くので、利用した人物の確認、忘れ物などの確認も可能です。不審者の立ち入りなども未然に防ぐことが出来るのでかなり安心できます。
監視カメラは導入されているか?
共有部や廊下などにはカメラを設置しているオフィスも増えてきています。有事の時に入室記録などを提供してもらえるようでしたらサテライトオフィスの拠点として利用させるにあたり、総務的な視点からもかなり安心できるのではないでしょうか。
機密書類の処分は問題ないか?
テレワークやリモートワークの普及により、紙書類は以前に比べだいぶ減りましたが、一定の郵便物や書類は以前として残ったままです。機密事項が記載された書類を廃棄する際など、レンタルオフィス内に溶解ボックスやシュレッダーが用意されていると安心ですね。
2. レンタルオフィスの設備(情報セキュリティ / インフラ編)
インターネット回線のセキュリティは?
レンタルオフィスのインターネット回線は、1拠点で共有して使用している施設がほとんどです。レンタルオフィス内のサーバー室などにインターネット回線が引き込んであり、そこからそれぞれの顧客の専有個室(執務室)などに分岐させているわけです。
共有でインターネット回線使うわけですが、顧客の専有個室(執務室)ごとにネットワークを構築し分離させることで、他社からは見られない設計になっておりセキュリティを安全に確保することができるのです。一方で、レンタルオフィス運営会社によっては、独自のネットワーク回線を契約しなければならないという場合もあるようですが、その回線を使うと本社のサーバーにはつなぐことが難しい、などのケースもあるようで注意が必要です。レンタルオフィス内の自室に、インターネット回線を引き込むことを許可している運営会社もありますので、本社との独自のネットワーク構築を築く必要がある場合などは、そのようなオフィスが選ばれることになります。
WiFiは契約者しか使えないようになっている?
WiFi器機が標準設備として用意されているレンタルオフィスを少なくありません。会議室や専有の個室内、共有で使えるワークスペースなどでWiFiが用意されているわけですが、セキュリティはどうなっているのでしょうか?各レンタルオフィスの運営会社によって、設定は様々なため確認しておく必要があります。個別のSSIDや暗号化キーが発行されているか、ユーザーの端末間通信が禁止されているか、顧客ごとの専有個室ごとにネットワークが分離されているか確認しましょう。
見落としがち!郵便物はどうなっているか?
郵便物、宅急便など送付物が多い企業は、受付スタッフが常駐するオフィスを選ぶべきと考えます。テレワーク・リモートワークが一般的になり、従業員は出勤する機会が少なくなりました。一方で、郵便物や宅配物は、平日にオフィスに届くスタイルが依然として主流ですので、レンタルオフィスの受付スタッフが代替で受け取ってくれるという点はかなりメリットがあります。「置き配」などのサービスもありますが、受領確認などの点で不安が残ります。受付スタッフがいるレンタルオフィスでは、確実に受領し、決められた場所に保管してもらえるので安全です。
3. テレワークをする一人ひとりのセキュリティ意識の向上が求められる時代へ
充実した付帯施設があるレンタルオフィス・サテライトオフィスでは、共有で使える施設に、会議室、フリーラウンジ、オフィス内カフェ、ウェブ会議用の個人ブース型スペース、フリーアドレスのデスクスペース、レストルームなど、他人との接点がある場所が複数存在します。ユーザーは「共有」のスペースである心構えを持つことが大切です。会員制のレンタルオフィスであればある程度利用する人間が特定されますが、共有スペースは他人の目に触れるので、自分の荷物、会社の備品、ビジネス情報については、十分に気をつけたいところです。オープンスペースでは、常に貴重品を携帯していること、PCやモバイル端末にはパスワードロックをかけておくこと、など常日頃セキュリティ意識を持つことが必要です。
4. まとめ
以上のように、セキュリティ確保がされているワークスペースであるかどうかは、レンタルオフィス選びの際に最重要事項の一つです。自社での必要十分なセキュリティ条件を満たすことが出来るか、また、ある程度の「自由度」「選択制」がとれるレンタルオフィスであれば、より安心・安全で利便性のある運用が可能となるでしょう。