居抜きオフィスとは?他オフィスとの違い・メリット&デメリットも

2023年9月19日 2023年9月15日

オフィスを構えたり移転したりする際、大きな懸念点として挙がるのがコストや時間です。特に内装工事費や備品の手配は、想定以上に手間と負担がかかるケースが少なくありません。 そこで注目されているのが、既存の内装や備品を引き継いで手間やコストを大幅に削減できることの多い「居抜きオフィス」です。

しかし、居抜きオフィスという選択は本当にお得なのでしょうか。当記事では、居抜きオフィスの概要とそのメリット・デメリットを分かりやすく解説します。

【目次】
1. 居抜きオフィスとは?
2. 居抜きオフィスのメリット3選
3.居抜きオフィスのデメリット3選
4.低コスト&短期間でオフィスを利用するためには? 5.まとめ

「居抜きオフィス」とは、前の入居者が使用していた家具や設備がそのままの状態で残されているオフィスです。

通常、オフィスを借りる際には、内装工事や家具の購入といった初期コストがかかります。しかし、居抜きオフィスでは必要品の購入コストを大幅に抑えることが可能です。 特に、スタートアップやベンチャー企業など、初期投資を抑えたい企業に人気のあるオフィス形態です。また、中小規模の企業をはじめ、「コロナ禍の影響でリモートワークが進みオフィスを縮小化させた企業」や、「一度オフィスを縮小化させたものの、アフターコロナによって再度オフィスを拡張したい企業」などからも人気が高まっています。

居抜きオフィスと混同されやすい賃貸オフィスの形態に、「セットアップオフィス」と「スケルトンオフィス」があります。それぞれの特徴と居抜きオフィスとの差は以下の通りです。

●セットアップオフィスとは

セットアップオフィスは、貸主が内装工事を完了した状態で貸し出される物件を指します。受付や会議室、一部の什器が整えられており、入居者は即座に業務を開始できる点が魅力です。デザインや機能にこだわりがあるケースが多く、プロのデザイナーによる最新のレイアウトを楽しめるオフィスも珍しくありません。 居抜きオフィスにもある程度のアイテムはそろっています。ただし、新品でそろえられていることの多いセットアップオフィスとは異なり、基本的には前入居者が残した中古品です。

●スケルトンオフィスとは

スケルトン物件は、内装が一切施されていないコンクリート打ちっぱなしの物件のことです。完全にゼロからの内装工事が必要となり、家具や備品もすべて自分たちで用意しなければなりません。自由にデザインできるのが魅力ですが、初期費用や準備期間は居抜きオフィスよりも必要になるでしょう。


居抜きオフィスには、多くの企業に選ばれるだけの理由があります。初期投資の削減やスピーディな移転、退去時のメリットなど、魅力的なポイントはさまざまです。居抜きオフィスへの移転を検討する際は、まず自社がどのようなメリットを得られるか把握しておきましょう。 ここでは、居抜きオフィスのメリットの中で、特に注目度の高い3点を紹介します。

居抜きオフィスの魅力として、初期コストを節約できる点が挙げられます。通常、新しいオフィスを設置する際は、家具や什器の購入、回線工事、内装工事などに多額の費用が必要です。しかし、居抜きオフィスで前の入居者の設備を流用すれば、これらの費用を大幅に節約できます。オフィス設置のコストとして特に大きいのが、内装費用です。内装工事の坪単価は10万円~30万円程度が相場とされており、オフィスの大きさによっては500万円以上かかるケースも珍しくありません。既存の内装をそのまま活用すれば、内装工事のコストも抑制できます。また、搬入・搬入する備品が少ないため、移転時の引越し出費も低く抑えることが可能です。

居抜きオフィスの魅力の1つは、短期間での移転・入居が実現する点です。一般的なオフィス移転は、内装工事や設備手配といった多くの作業が必要となり、完全移転までに4か月~半年程度の期間がかかるケースも少なくありません。居抜きオフィスは仕事に必要な環境が整っているため、大規模な工事や打ち合わせが少なく、時間を大きく削減できます。

また、以前の入居者が使用していた設計を参考にできることで、オフィスのレイアウトやゾーニングにかかる時間を短縮できる点も魅力です。電話やLAN回線、Wi-Fi設備など、最低限の手続きを終えられれば、入居したその日から仕事を始められます。

居抜きオフィスを選ぶメリットの1つとして、退去時の手間や費用を抑えられる点が挙げられます。今まで居抜きとして利用されてきたオフィスであれば、契約終了時もそのままの状態で退去ができるケースが少なくありません。原状回復費の節約やオフィス家具などを処分する必要がなくなり、費用や手間の削減が期待できます。

ただし、契約内容によっては原状回復工事が必要となる場合もあることは理解しておきましょう。現状、居抜きオフィスの需要は高いため、次が居抜きオフィスとは決まっていない場合でも交渉の価値はあります。

居抜きオフィスには魅力的なメリットがある一方で、デメリットがある点も否めません。物件の状態や自社の使い方によっては、居抜き物件のデメリットがメリットを上回る可能性もあります。オフィスの設置場所を選ぶ際は、メリットだけでなくデメリットについてもしっかりと理解しておきましょう。 ここでは、居抜きオフィスで発生するケースが多いデメリットを、3つ紹介します。

居抜きオフィスの注目度は高まっているものの、物件数はまだ限られている状態です。そのため、自社の条件にピッタリ合う物件を見つけるまでに時間を要する可能性もあります。以前借りていた企業にとって最適なレイアウトではあっても、自社のニーズとはズレのあるケースは珍しくありません。業種や職種により最適なレイアウトは大きく異なるため、既存の設備や内装をそのまま利用しきれず、入居後の調整が必要になる事態も考えられます。 居抜きオフィスを選ぶ際は「入居後のレイアウト調整が容易か」「自社の要望や規模に合うもの」という点をしっかりと見極めることが大切です。

居抜きオフィスは、前借主のレイアウトや設備を引き継ぎ、初期費用を削減できる大きなメリットがあります。一方でその設備や家具は中古品となるため、故障や老朽化が懸念される点はデメリットです。 契約によっては入居者が修理費用を負担したり、安全性の観点から設備を新しくしたりする必要が出てくる場合があります。また、不要な備品の処分にかかる費用も考慮しなければなりません。 物件を選ぶ際には、必ず内装や設備の状態をしっかり確認しましょう。耐用年数や使用状況を把握し、修繕や処分の必要性を早めに判断することで、予期せぬコストの抑制が可能です。

居抜きオフィスのデメリットとして、退去時の原状回復工事が挙げられます。居抜きオフィスを選ぶ際の魅力は初期費用の削減ですが、契約終了時にかかる費用を見逃してはなりません。内装の施工状況にもよりますが、原状回復費用の坪単価は3万~10万円程度が相場です。 賃貸オフィスの契約では原状回復工事義務が定められており、前の借主の状態に関係なく新たな借主が引き継ぎます。居抜きで貸し出されている物件が居抜きで退居できるとは限らないため、退去する際の条件や原状回復の有無は必ず契約時に確認しましょう。

ここまで説明したように、居抜きオフィスには一長一短があります。低コストかつ短期間でオフィスを使えると思って選んだはずが、「内装工事や什器・備品の買い替えなどによってむしろコストがかかった」というケースも珍しくありません。 短期的にオフィスが必要でコストを抑えたい場合は、「レンタルオフィス」の利用も検討してみてはいかがでしょうか。 レンタルオフィスであれば、一般的なオフィスを借りるよりも安く、かつ短期間から利用することが可能です。

オフィス契約時の注意点については『レンタルオフィス契約時に押さえるべき施設・設備のポイントについて紹介!』で詳しく説明をしていますのでご参照ください。

どの形態のオフィスを選択するのが最適なのかは、かけられるコストや利用期間によってさまざまです。居抜きオフィスは初期投資の節約が期待できますが、退去時の原状回復義務や内装変更の可能性があるため、十分な確認が必要となります。

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