オフィスの必要性|必要な業種と不要な業種・今後のオフィスの役割も

2023年7月13日 2023年7月26日

テレワークを導入している企業では、オフィスの稼働率がどうしても低くなります。必要性が感じにくくなったオフィスの廃止を検討している企業も多いでしょう。

すべての業務がテレワークで完結する場合は、オフィスの必要性はたしかに低いと言えます。しかし、業種によってはオフィスが必要であり、本当に廃止してよいかは慎重に決めなければなりません。

そこで今回は、オフィスの必要性が低下した理由や、オフィスが必要な業種と不要な業種の違い、今後のオフィスに求められる役割について解説します。


近年においてオフィスの必要性が低下しつつある背景には、テレワークの普及があります。

テレワークはもともと、2019年に施行された働き方改革法の3本柱の1つ「多様で柔軟な働き方」を実現するために、企業への普及が推進されていました。さらに2020年からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、感染対策の一環としてテレワークを導入する企業はここ数年で増加しています。

2023年6月現在、新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行し、以前のような感染対策の必要はなくなっています。

しかし、コロナ禍のときと同様にテレワーク出勤を続けたり、オフィスワークと組み合わせた「ハイブリッド型」の働き方を実現したりする企業も多く存在する状況です。

三菱総合研究所がデスクワーカーに対して行った調査では、リモートワーク経験者の約3割が完全オフィスワークへの回帰に否定的であるという結果が出ています。

(参照:三菱総合研究所(MRI)「働き方改革 第6回:次世代の働き方「ハイブリッドワーク」の動向と今後(後編)」/https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20220428.html

メインオフィスの需要が低くなったことによって、一部の業種ではオフィスの必要性が低下しつつあります。

実際に、オフィスの縮小を検討している企業は、拡張を検討している企業よりも多い傾向です。企業がオフィスを縮小するメリット・デメリットについては、下記のページで解説しております。

(内部リンク:「オフィス 縮小」

オフィスの必要性が高いか低いかは、業種によって大きく異なります。

基本的に、テレワークに向いている業種はオフィスの必要性がさほど高くありません。対してテレワークではできる業務が少ない業種は、オフィスの必要性が高くなります。

以下ではオフィスが必要な業種・不要な業種の違いやそれぞれの例を紹介します。

下記の特徴がある業種は、オフィスの必要性が高い傾向にあります。

●高いセキュリティが必要な業種

金融業や研究開発など、機密情報を扱う機会が多い業種はオフィスの必要性が高くなります。業務に高いセキュリティが必要であり、インターネットでデータを送受信するテレワークは向いていません。

●対面でのやりとり・コミュニケーションが必要となる業種

接客業や医療・福祉業などは、対面でのやりとり・コミュニケーションが必要な業種です。テレワークでは顧客対応が難しく、オフィスの必要性が高いと言えます。

●物理的にモノを取り扱う業種

製造業や配送業のように、物理的にモノを取り扱う業種はテレワークでは行えません。作業を複数人で行う必要があり、事業の活動拠点としてオフィスが必要になります。

オフィスの必要性が低い傾向にある業種には、下記のような特徴があります。

●社外での業務が多い業種

情報通信業や広告・メディア業など、社外での業務が多い業種はオフィスの必要性が低い傾向です。営業の割合が多い業種も、オフィスの必要性は低くなるでしょう。

●PC業務の割合が多い業種

IT・システム開発業やクリエイター業のように、PC業務の割合が多い業種もオフィスの必要性は低くなります。PCで業務が完結するためテレワーク導入が向いている業種です。

すでに述べたように、働き方改革が進む近年ではオフィスの必要性が徐々に低下しています。 しかし、オフィスの必要性が低い傾向にある業種であっても、オフィスがまったく必要ないとは言えません。大手IT企業が現在でもオフィス環境に力を入れていることから分かるように、 ワークスペースであるオフィスには一定の価値があります。

例を挙げると、社員同士の日常的なコミュニケーションはオフィスでなければ生まれません。コミュニケーションをすぐに取れるオフィスで働くことで、社員はアイデアの創出やモチベーションにつながる刺激を得られるでしょう。社員同士の円滑なコミュニケーションは、信頼関係の構築や企業文化の醸成にも欠かせない要素です。

一方、働き方改革において推進されているテレワークでは、社員同士のコミュニケーションが取りにくい点が課題です。コミュニケーション不足をそのままにすると、チームワークやモチベーションの低下、企業への帰属意識の希薄化などを招く可能性があります。

今後のオフィスは、従来のような「集約型オフィス」と、テレワークなどに代表される「分散型オフィス」の使い分けがポイントとなるでしょう。「オフィスか、テレワークか」の二項対立ではなく、業務上の必要性や社員の希望に合わせて選ぶ在り方が、オフィスに求められるようになっています。

分散型オフィスとは、ワークスペースを複数の場所に分散させて、社員が自分に合った場所で働けるようにするスタイルです。

分散型オフィスは主に下記の3種類があります。

●テレワーク

テレワークは、Wi-fiやクラウドサービスなどの情報通信技術を活用して、オフィスとは離れた場所で仕事をする働き方です。時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を社員が選択できるメリットがあります。

●レンタルオフィス

レンタルオフィスは、複数の利用者に対して提供されているスペースの一つを借りられる、個室タイプのオフィスです。デスク・チェア・インターネット回線といった業務に必要な環境はあらかじめ整っていて、契約後すぐに仕事を始められます。

●サテライトオフィス

サテライトオフィスとは、企業の本社から離れた場所に設置された小規模なオフィスのことです。サテライトオフィスは社員にとって通勤・勤務がしやすい環境を目的として設置されるケースが多く、多様な働き方の支援やモチベーション維持に役立ちます。

集約型オフィスと分散型オフィスを使い分ける際は、最も効率よく業務がこなせるようスケジュールを組むことが大切です。

集約型オフィスと分散型オフィスの両方を導入した企業の中には、「週〇日は分散型オフィスで、残りの日は集約型オフィスで」といったルールを設定するケースがあります。日数で分けるやり方は、一見すると集約型オフィスと分散型オフィスを両立しているように感じられるものの、実際には漠然としたルールになる点に注意してください。

そもそも集約型・分散型の両方を導入する目的は、分散型オフィスで多様な働き方を支援しつつ、集約型オフィスのメリットも取り入れることです。

そのため、使い分ける際のスケジュールは単純な日数ではなく、「どちらのオフィスのほうがより適しているか」を重視しましょう。業務の性質から集約型オフィス・分散型オフィスのどちらがよいかを考えたり、社員の希望を汲み取ったりした上で決める必要があります。

集約型オフィスと分散型オフィスはうまく使い分けると、業務効率の向上や社員のモチベーション向上につなげられます。

まとめ

テレワークの普及などによりオフィスの必要性は低下しているものの、オフィスには独自のメリットがあります。働き方改革を進めつつ、オフィスのメリットも得るには、集約型オフィスと分散型オフィスを使い分けましょう。

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