サービスオフィスとは?利用メリット・注意点・向いている企業を紹介

2023年6月15日 2023年6月16日

働き方に多様性が求められる現代において、さまざまなオフィススタイルが注目されています。サービスオフィスも新しいオフィス形態の1つです。

これまでとは違ったオフィススタイルを取り入れる際は、特徴やメリット・デメリットを十分に理解した上で決定する必要があります。

そこで今回は、サービスオフィスの概要と利用するメリット、利用する際の注意点について解説します。 サービスオフィスが向いている企業の特徴も紹介する為オフィススタイル選びの参考にしてください。


サービスオフィスとは、さまざまなサービス提供を受けられる家具や設備完備のオフィススタイルです。快適に仕事をする上での設備環境が整っている事から高付加価値型オフィスとして注目されています。

オフィス環境は、働きやすさや生産性の向上に大きく影響します。従業員の能力を十分に引き出すには、集中しやすい環境や動きやすいレイアウトを意識することが重要です。

また、サービスオフィスは従来のオフィススタイルに比べて、動線・安全性・快適性などが優れていることが特徴です。時代の流れや従業員のニーズに合わせてサービス提供するサービスオフィスへの需要は、年々増加傾向にあります。


サービスオフィスと混同されやすいオフィススタイルに、「シェアオフィス」「レンタルオフィス」
「コワーキングスペース」があります。

それぞれの特徴とサービススタイルとの違いは、以下の通りです。

●シェアオフィス
シェアオフィスは、小規模な区画で複数のワークスペースが用意されているオフィススタイルです。1つのオフィス空間を簡易的なパーテーションなどで区切り、複数の企業がワークスペースとして共有します。
さまざまな人と交流できることやコストを抑えられることがメリットです。ただし、多くのシェアオフィスはオープンスペースとなっているため、サービスオフィスのような専有スペースはありません。
●レンタルオフィス
レンタルオフィスは、契約した専用の個室をビジネスに利用できるオフィススタイルです。エントランスや会議室などは、他の個室を契約している企業と共有します。
必要な設備はもちろん固定回線も用意されているため、契約直後から業務が可能です。レンタルオフィスとサービスオフィスは、どちらも「貸事務所」に分類されます。しかし、レンタルオフィスは、サービスオフィスに比べて利用できる設備やサービスが限られます。
●コワーキングスペース
コワーキングスペースは、フリーアドレス制を採用したオープンスペースを複数の企業や個人が利用できるオフィススタイルです。シェアオフィスと同様に、ワークスペースを他の企業や個人と共有します。
サービスオフィスとの違いは、専有スペースがなく多くの人の出入りがあることです。幅広い人脈を築けることが魅力である一方で、サービスオフィスに比べるとセキュリティ面に不安があります。

それぞれのオフィススタイルを総称して、「フレキシブルオフィス」と呼ばれることもあります。

しかし、各オフィススタイルには類似点がある一方で、明確な違いがあることも理解しておきましょう。


サービスオフィスには、コストや作業効率などさまざまな面でメリットがあります。自社に合ったオフィススタイルを選ぶためにも、まずはどのようなメリットがあるのかチェックしておきましょう。

ここでは、サービスオフィスを利用するメリットを3つ紹介します。

サービスオフィスは、賃貸オフィスに比べてコストを大幅に抑えることが可能です。賃貸オフィスを契約して事業を始めるには、初期費用として下記の費用がかかります。

● 不動産仲介手数料
● 敷金
● 備品購入費用
● 設備投資費用
● 内装工事費用 など

一方、サービスオフィスの利用にかかる初期費用は、主に入会金やクリーニング代です。必要な備品や設備はすでに整っているため、費用負担を抑えつつスピーディーに事業を開始できます。

オフィススペースを柔軟に変えられることも、サービスオフィスのメリットの1つです。経営状態や社会情勢に合わせて、ベストなオフィススペースを確保できます。

賃貸オフィスの場合、オフィススペースを拡大・縮小するにはオフィス移転しなければなりません。オフィス移転には、転居先オフィスの初期費用だけでなく現オフィスの退去費用もかかります。

一方、サービスオフィスは契約内容の変更だけでオフィススペースの拡大・縮小が可能です。

ただし、空いているスペースがある場合に限ります。

サービスオフィスは利用できるサービスが充実しているため、上質なオフィス空間を整えることができます。サービスオフィスの主なサービス内容は、下記の通りです。

●受付や秘書業務を行うスタッフが常駐
●セキュリティ対策
●電話代行
●事務代行
●ITサポート
●ラウンジやカフェの提供

スタッフのサポートが充実しており、従業員が快適に仕事に向き合える環境が整っています。

さらに、セキュリティ対策も万全で顧客の信頼感アップにもつながります。基本サービスとオプションサービスの内容は運営会社によって異なるため、事前に確認しておきましょう。


サービスオフィスには、「コストを抑えられる」「オフィス空間を整えられる」などのメリットがある一方で、利用する上で注意しなければならない点もいくつかあります。

メリットだけで利用を決定すると後悔する可能性もあるため、どのような点に注意すべきかしっかり把握しておくことがポイントです。

ここからは、サービスオフィスを利用する際の注意点を解説します。

サービスオフィスは、契約内容やルールに沿った形での利用が必須です。企業のコンセプトに合わせて内装を変えたり、音が出る製品製造に利用したりすることはできません。

また、通信設備は無線LANを共有するケースが多く見られます。通信速度が遅くなることも考えられるため、オンラインミーティングやチャットなど通信スピードが影響する業務が多い企業は注意が必要です。

サービスオフィスの内装や雰囲気、利用できる業種が自社に合っているか事前に確認しておきましょう。

サービスオフィスは、専有スペースがあってさまざまなサービスやサポートが充実している分、他のフレキシブルオフィスに比べてコストがかかります。予算に合わない場合は、他のオフィススタイルも検討してみましょう。

ただし、格安のフレキシブルオフィスの中には、「設備使用料は別途発生」「法人登記は不可」という場合もあります。コスト面だけでなく利便性や利用規約などを含めてトータルで判断することが大切です。

サービスオフィスの利用に向いている企業の特徴は、下記の通りです。

●コストを抑えつつ顧客の信頼感アップを狙いたい企業
●テレワークに力を入れたい企業
●事業拡大を視野に入れている企業

サービスオフィスは、賃貸オフィスに比べてコストが低く、他のフレキシブルオフィスよりセキュリティ面が優れています。また、設備環境や各種サービスも充実しているため、テレワークの場として活用することも可能です。

また、オフィススペースの規模や利用期間を手間なく変更できることから、事業拡大が予定されている企業にも向いていると言えるでしょう。

まとめ

サービスオフィスは、フレキシブルオフィスの1つです。サービスオフィスには、「賃貸オフィスよりコストを抑えられる」「オフィススペースを柔軟に拡大できる」などのメリットがあります。

ただし、サービスオフィスは用途や業種によっては利用できない場合もあります。また、他のフレキシブルオフィスに比べてコストがかかるため、事前に利用条件やコストを確認しておくことが大切です。

オフィスの快適性や利便性はもちろん、コスト面や今後のビジョンも考慮した上で、メリットが大きいオフィススタイルを選びましょう。