【個人・法人】起業にかかる初期費用はどれくらい?費用を抑える方法も
2023年10月31日 2023年11月19日
キャリアに対する価値観が多様化している昨今では、より自分らしく働くための手段としての「起業」に注目が集まっています。しかし、起業を実現するためには、十分な金額の初期費用が必要です。起業に関心を持ちつつも「どの程度の金額を準備すれば良いか」が分からず、具体的な行動を起こせずにいる方もいるでしょう。
当記事では、起業にかかる初期費用の相場と内訳を紹介します。起業の初期費用を抑える方法も知り、夢の実現に向けた一歩を踏み出したい方はぜひ参考にしてください。
1. 起業に必要な初期費用は個人・法人とで大きく異なる!
2. 起業に必要な初期費用の内訳・項目
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2-1. (法人のみ)設立時の行政手続きにかかる費用
2-2. 物件の賃貸契約に関わる初期費用
2-3. パソコン・OA機器の購入費用
2-4. デスク・チェアなどの備品購入費用
2-5. ホームページ・チラシの制作費用
4.【起業】初期費用を抑えるには「レンタルオフィス」の利用もおすすめ!
5.まとめ
1. 起業に必要な初期費用は個人・法人とで大きく異なる!
起業にはまとまった金額の初期費用がかかるケースも多いことから、事前に目安を把握して、計画的に準備する必要があります。
日本政策金融公庫の公表によると、2022年時点における開業費用の平均は1,077万円です。以下は、同時点における開業費用の金額別・分布を示します。
2022年時点の開業費用について
開業費用 | 割合 |
---|---|
250万円未満 | 21.7% |
250万円~500万円未満 | 21.4% |
500万円~1,000万円未満 | 28.5% |
1,000万円~2,000万円未満 | 18.0% |
2,000円以上 | 10.5% |
※出典:日本政策金融公庫「2022年度新規開業実態調査」/ https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/kaigyo_221130_1.pdf
開業費用のボリュームゾーンは500万〜1,000万円未満で、平均に満たない金額で起業する方も多いと言えます。
ただし、実際に起業する際の初期費用は、業種や規模に応じて異なる点には注意しましょう。また、初期費用の金額は以下で紹介する通り、個人(個人事業主)と法人のいずれで起業するかによっても変化します。
1-1. 【個人】0~200万円程度
個人の起業に必須となる手続きは、「独立開業届の提出」のみです。そのため、法的な手続き費用はかからず、理論的には0円起業も行えます。
しかし、法的な手続きのみを済ませても、ビジネスは成立しません。ビジネスを行うための設備や作業場所の準備には、200万円程度かかるケースも多くあります。
1-2. 【法人】20万~1,000万円程度
法人の起業にかかる初期費用は20万〜1,000万円と大きな開きがあるものの、個人の場合と比較して多くの資金を要することが通常です。
また、「法人」とひと口に言っても合同会社・株式会社など、さまざまな形態があります。起業する際の初期費用の目安は、法人の形態によっても変化することを覚えておくと安心です。
2. 起業に必要な初期費用の内訳・項目
初期費用を正確に見積もるためにはコストの発生する主な項目を洗い出した上で、それぞれの金額の目安を検討することが大切です。起業にかかる初期費用の内訳とコストの発生する項目別の相場を以下で詳しく把握し、資金準備を進めるためのヒントを得てください。
2-1. (法人のみ)設立時の行政手続きにかかる費用
前述の通り、法人の形態によって法的な手続き費用の目安は異なります。以下は、株式会社と合同会社を設立する場合に必要な費用の目安と内訳です。
2022年時点の開業費用について
株式会社 | 合同会社 | |
---|---|---|
定款の認証代 | (資本金300万円以上の場合) |
|
定款の収入印紙代 | (電子定款の場合は0円) |
|
定款の謄本手数料 | ||
登録免許税 | ||
資本金 | ||
合計 |
資本金の金額は1円でも問題ないとは言え、多くの場合は300万円程度を用意します。資本金が過剰に少ない状態で起業すると経営が不安定になるリスクもあるため、注意しましょう。
2-2. 物件の賃貸契約に関わる初期費用
起業に合わせて事務所や店舗を用意する場合には物件を探し、賃貸借契約を締結します。賃貸借契約を締結する際には以下の費用の合計で多くの場合、4〜15か月分程度の家賃が必要です。
事務所物件の賃貸契約に関わる初期費用 | |
---|---|
敷金・保証金 | 家賃の1~10ヵ月分程度 |
礼金 | 家賃の1~2ヵ月分程度 |
仲介手数料 | 家賃の1か月分程度 |
前家賃 | 家賃の1~2ヵ月分程度 |
物件によっては上記の他、内装工事・リフォーム費用がかかります。火災保険や賠償責任保険への加入義務がある物件を契約する場合は、商品に応じた保険料の支払いも必要です。
2-3. パソコン・OA機器の購入費用
どのような業種で起業するにしても、パソコンやOA機器の準備は欠かせません。パソコンなどの購入費用は必要なスペックに応じて変化するものの、従業員1人に対して20〜30万円程度が相場でしょう。
パソコンやOA機器の購入費用を節約するためには、リースやレンタルサービスを利用する方法も一案です。ただし、リースを利用するためには、事前の審査に通過する必要があります。レンタルサービスには事前の審査がないものの毎月のコストがかさみやすく、長期の利用は避けることがおすすめです。
2-4. デスク・チェアなどの備品購入費用
事務仕事や営業活動を行うための作業場所には最低限、デスクとチェアが必要です。デスクとチェアの購入費用は、1人に対して4〜10万円程度と考えましょう。仕事中に使用する文具や備品を用意するためには、1人あたり約5,000円の費用がかかります。
下記は、作業場所の快適性を高めるために役立つ備品の例です。
上記の備品は必ずしも、起業時に購入する必要はありません。予算に余裕がない場合はビジネスが軌道にのった後、徐々に買い揃える方法も検討しましょう。
2-5. ホームページ・チラシの制作費用
専門業者に会社のホームページを制作してもらう場合は多くの場合、最低でも数万〜30万円程度の費用がかかります。ホームページを自作すれば制作費を節約できるものの、レンタルサーバー費用やドメイン代は必要です。
下記は、レンタルサーバー費用やドメイン代の相場を示します。
ホームページ・チラシの制作費用 | |
---|---|
レンタルサーバー費用 | 1か月で数百〜3,000円程度 |
ドメイン代 | 1か月で数百円程度 |
チラシのデザインから印刷を専門業者に依頼する場合には、A4サイズ・片面カラープリントで4万〜12万円程度が相場です。デザインや印刷のノウハウがあれば、印刷代や紙代のみの出費でチラシを制作できます。
3.起業時の初期費用における理想的な考え方
起業にかかる初期費用を「ビジネスを開始するために最低限必要な資金」と考える方も多くいます。この考え方が完全に誤りとは言わないものの、起業後すぐにビジネスが軌道にのるとは限りません。
想定通りの売り上げが立たない時期にも毎月の支出は発生するため、一定の運転資金を確保しなければ早期廃業のリスクも高まります。起業する際には、少なくとも3か月分の運転資金を含めて初期費用を準備すると安心です。
ただし、日本政策金融公庫の調査によると起業からビジネスが軌道にのって黒字化するまでには平均、7か月程度の期間がかかります。
出典:日本政策金融公庫「創業時支援」/ https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/riyou/sougyouji/
より安全に起業するためには初期費用を保守的に見積もり、十分な運転資金を確保することがおすすめです。
4.【起業】初期費用を抑えるには「レンタルオフィス」の利用もおすすめ!
初期費用を抑えて早期の起業を実現するためには、レンタルオフィスの利用を検討しましょう。レンタルオフィスとは、複数の法人や個人でシェアすることを前提に設計された貸事務所です。レンタルオフィスは通常、一般的な事務所を賃貸する場合の敷金・礼金と比較して格段に安い費用で契約できます。
また、多くのレンタルオフィスでは以下の設備も利用でき、初期費用の大幅な節約が可能です。
さらに、一部のレンタルオフィスでは、会議室・ラウンジ・カフェなどの共有スペースを追加料金の支払いなしで利用できます。受付にスタッフが常駐していて、来客対応を行ってもらえるレンタルオフィスを利用すれば、1人で起業する方も安心でしょう。
クロスコープのレンタルオフィスは、東京都内・仙台・福岡といった人気の高いビジネスエリアにあります。起業する際の初期費用を抑えつつ、利便性の高い作業場所を確保したい場合はぜひ、クロスコープのレンタルオフィスをご検討ください。
5.まとめ
起業にかかる初期費用は個人の場合で0〜200万円程度、法人の場合で20万〜1,000万円程度が目安です。ただし、実際に初期費用を見積もる際には少なくとも3か月分程度の運転資金も考慮した上、現実的な計画を立てることをおすすめします。