新年度のオフィス選び

2023年1月27日

新年度のオフィス選びは、順調でしょうか。コロナ禍における行動制限の緩和を受けて、テレワーク・リモートワークの頻度を減らす企業が増加しました。通常のオフィス、レンタルオフィス共に出社率が増え、活気のある「現場」が戻ってきたことを実感されているのではないでしょうか。通勤の電車内も、道行く人も増え、今まで利用が少なく暗かった会議室も連日利用されてきています。

テレワーク・リモートワーク実施による支障は、実際に出社することや、リアルに人と会うことによって解消されるので、テレワーク・リモートワークの頻度を減らそうという方向性は理解できます。職種によっては、テレワーク・リモートワークが適するものがあるので、そのバランスをどのようにとるべきか、ということを日々、経営層や人事・総務 は考えていることと思います。家庭の事情などでテレワーク・リモートワークせざるを得ない人もいるでしょうし、一旦テレワーク・リモートワークの良い点を経験してしまった人は、オフィスへ通勤するというコロナ前の勤務体制に戻ることへは抵抗があるかもしれません。

さて、今回は、不動産業界が動く1月~3月期(日本の多くの企業が決算期を間近に迎える時期)のオフィス選びについてお話したいと思います。

1月~3月は、新しい年が明けて、新年度(4月を新年度とした場合)に向けて国・地方自治体、企業が活発に動く時期となります。秋くらいから春先に向けて準備を万全にしていく企業もありますが、3月、4月スタートする会社、プロジェクトのために、スピード感があるオフィス選びを行います。やはり、よい物件はすぐ決まってしまうので、情報収集と決断のスピードが最重要になってくると思います。

春先に多い移転目的や理由について、主なものを下記にまとめました。
 《 目次 》
(1)面接・採用に向けたオフィス選び
(2)新人研修のための施設確保
(3)春先のプロジェクト利用
(4)よりよいオフィスを見つけるためには

(1)面接・採用に向けたオフィス選び

春は、新しい人材の採用や人事異動の季節です。採用面接で、オフィスの会議室はスケジュールがいっぱいになります。”ここで働ける!”という社員のモチベーションアップにもつながります。オフィスビル、エントランス、会議室などの施設は、まさに会社の顔として非常に重要です。

優秀な人材の採用のためにもオフィス構えは大切ですね。最近聞いた驚きのエピソードを紹介します。書類審査も終わり、面談、役員面談は、今どきのリモート面談でスムーズに進み、無事採用が決定しました。入社手続きのため、書類などにサインや判を押す必要があったことから、内定を受けた方が実際にオフィスを訪ねたところ、急に辞退を申し出たというお話です。しかも立て続けに、何人も内定後に辞退されたようです。詳しいお話を聞いたところ、以前は駅が近く、立派なビル内に入居していたところ、コロナ禍でオフィスを使わないので、オフィス縮小化して、ビルの築年数も古い、安価な賃貸ビルに入り、その入社手続きなどは、その築年数の古いビルで行っていたそうです。テレワーク・リモートワークも組み合わせた働き方だったようで、オフィスに必ず来なければならないワークスタイルではなかったそうですが、立て続けに辞退が続いたため、慌ててきれいな新規オフィスを探すよう指示を出したそうです。

採用のためのオフィスというわけではありませんが、まずファーストコンタクトの場所は、会社の受付だったり、会議室だったりするので、最新ビルで、内装がきれいなオフィスが選ばれるのは当然ですね。

(2)新人研修のための施設確保

新しい社員が入社し、各々の部署に配属されるまで、一同が集まる研修場所が必要になります。
一定数の什器、電源、また研修用の資料置き場などを考えると、貸し会議室などを貸切にするよりも、”レンタルオフィス、サービスオフィスを短期で借りる”というシーンが多くなってきました。研修のカリキュラムが増えて延長することが必要になった場合も柔軟に対応してくれること、また、PCなどの貸与備品の管理やセキュリティを考えると、ある程度の規模のレンタルオフィスの一室を短期で借りて利用するは、非常に有益であると思います。

貸し会議室は、演者が聴衆に対してパフォーマンスするには、最適な場所です。スクリーン、マイク、モニターなど、「聴衆に対する」機材は、充実しています。予約時間(早朝から深夜まで借りられるか、備品を置いたままに出来るか、毎回持ち帰らないといけないか)や、上記で記載した電源やネット環境など、受講者である新入社員がディスカッションしたり、作業する場合は、レンタルオフィス、サービスオフィスの個室を使った方が便利であるケースが多いように思います。

ワークプレイスイメージ

(3)春先のプロジェクト利用

多くの企業が年度末とする3月までの時期は、年間の予算の消化などの検証を行うと共に、次の新しい年度の予算枠を決める時期でもあります。「予算取りをしたけれど、使わなかった」や、「今まで手が付けられなかったのだが、決算期の3月までスポットで、時間と人が使えるので新規事業を企画したい」などの要望で、短期のプロジェクトを行う企業が多いようです。

そこで問題となるのは、その企画を推進する「場所」です。社内にも㊙案件であるため、出来れば社外で利用できるスペースを、ということでレンタルオフィスを探されるお客様もいらっしゃいます。チームで仕事をするので、個室だけでもいいのですが、打ち合わせ等でやはり会議室が多く利用できる複数の会議室があるレンタルオフィスがよいでしょうし、また、時には土日や夜間も利用したいので、24時間、365日利用できるレンタルオフィスが選ばれることが多いようです。

(4)よりよいオフィスを見つけるためには

最後に、よりよいオフィスを見つけ利用するために気を付けることをお話したいと思います。1月~3月は、多くの企業がオフィスを探しています。よって、少しでも”いいな”と思ったらスピード感をもって決定することが大事だと思います。よい立地、物件ほど早く決まってしまいますので、決断の速さを求められる時期だと言えます。

レンタルオフィスで探す場合、通常物件での縛り(契約期間、敷金等)よりも比較的軽いので、先の先までというよりもここ数ヶ月~1年内で必要なことを優先すべきでしょう。じっくり考えることも時には大切ですが、レンタルオフィスは柔軟な対応をしてくれることが多いので、例えば急な人員増加の場合も、増室したり、より広い部屋へ移動することができるというケースが多々見受けられます。まずは、直近で利用する人数、予算で部屋を決めましょう。

内見を直ぐに行うことも大切です。まずは予約して実際に部屋を見に行きましょう。実際に部屋を見ることによって、サイズも分かりますし、利用した際のイメージも沸きます。他社もスピードをもって動く時期ですので、部屋をおさえるという意味でも内見することは大切なことだと思います。