シェアオフィスとは?シェアオフィスの利用価値とコスト削減のポイントとは

2022年5月9日 2023年2月5日

多様な働き方の浸透に伴い「シェアオフィス」が注目されています。リモートワーク、テレワークの定着によって、始業から本社への勤務する形態だけではなく、様々な働く「時間」と「場所」を選べるようになりました。Web会議が主流となり、時には自宅でのオフィスワークも可能になったことから、経営者・総務の立場からは、「出社率」を意識したオフィススペースの再構築を検討する必要が出てきました。今回は、企業目線で見た、シェアオフィスの利用価値とコスト削減、またシェアオフィスの選び方をテーマに書きたいと思います。

シェアオフィスとは、オフィス空間を複数の企業や個人が共同で利用するオフィスのことです。専有の個室空間(執務室)はないことが多く、フリーアドレスタイプの座席を予約して利用したり、空いてる座席を自由使えるなど、各運営会社によってルールは様々です。共有スペースが充実していることが多く、会議室やWebブースの他、おしゃれなラウンジ空間や、異業種交流ができるフリースペース、フリードリンクがあるパントリーなどが施設内にあり人気があります。小規模なシェアオフィスもあれば、大規模なオフィス空間を売りにしている運営会社もあります。また比較的安価で契約も手軽であることから、近年人気があります。

企業は、賃貸事務所の更契約新の際などに、改めて現在のオフィスの場所や家賃などを意識するようになったのではないでしょうか。出社率の制限や、リモートワークの奨励で使わなくなったオフィススペースは、「無駄な」コスト以外の何物でもないからです。オフィススペースは必要最小限度を用意し、社員が最大限に活用出来ることが出来ることが最も重要な要素となります。加えて出社日を制限することで、通勤手当も抑えられます。
効率的なオフィス運用を目指す一方で、経営者や組織の責任者からは、従業員の動きや反応を「生」で感じとりたい、対面的なコミュニケーションを活発化したいという要求も満たしたいという欲求があるようです。出社率を制限してオフィススペースのコストを抑え、且つ、社内コミュニケーションをとれるスペースを確保する場合には、やはり、自社のオフィススペース以外にも作業可能なワークスペースや、オフィス環境が充実しているところを選ぶべきと考えます。そのため、会議室はもちろん、最近ではWebブースなどが充実している「シェアオフィス」に今、注目が集まっているのです。

シェアオフィスのメリットと言えば、やはりコストパフォーマンスの良さでしょう。最近のシェアオフィスは、一等地のグレードの高いオフィスビル内にあることも多く、内装や設備も充実しています。それだけの施設を利用できるわりには、初期費用はとても安価で一人当たり約1万円程度で済む場合もあります。また月額費用もひとりあたり数万円ということも多く、コストカットをしながらもワークスペースを確保できる点が最大のメリットと言えるでしょう。

全員分の座席を確保することは必要ではなく「最大出社人数の座席のみを確保すればよい」という考え方が出来れば、出社率をコントロールして、座席をシェアし、無駄のないオフィスの運用、即ち必要最小限のスペースで最大限にオフィスを活用できることになります。
現在はそのようなニーズにあわせ、駅直結または駅近くの広いワークスペースを確保したシェアオフィスがたくさんあります。シェアオフィスを利用するメンバーを何名にしたら良いのか、社内で良く検討した上でシェアオフィス運営会社に相談することをお勧めします。

気を付けなければならないのは、人気のあるシェアオフィスは活気がありすぎる場合があるという点です。活気のあるオフィスはよいのですが、シェア部分である共有施設は混雑していることが多いのです。シェアされる共用部は、ある程度落ち着いた雰囲気で仕事に集中できる空間が望ましいと考えます。「共用部分のビジネスラウンジは広いのですが、いつも同じ人が同じ場所を使っていて独占していて利用することが出来ない。」「Web会議室はあるのですが、それほど数が無く他社が長時間利用していて使えない」などのお話を聞くこともあります。
シェアオフィス選びの中でのポイントとして、平日の通常利用時の稼働率や、利用形態、どのような利用者(職種、年齢層など)がいるか、などは事前チェックポイントとして確認しておきましょう。特に利便性が高い場所にあり、どのような人でも利用できるオフィスでは、常に共有施設が混雑している状況にあることが多いようです。「こんなはずではなかったのに」という後悔をする前に是非、チェックして見て下さい。

✅ 最大出社人数の座席数分のみ確保しコストカットできるかどうか
✅ 共有スペースが落ち着いて仕事に集中できる空間かどうか
✅ 混雑していて使えない状況になっていないかどうか

企業がシェアオフィスを利用する場合、社内の人間が誰でも簡単に利用出来、且つ総務から従業員にオフィス利用方法を簡単に伝えられるサービス内容なのか、ということはかなり重要です。
というのも、複雑な利用方法であった場合、多人数の従業員へオフィスの利用説明の煩雑さや(共有施設の予約方法が分からない、何百人のスタッフに利用方法を周知しなければならないなど)、従量課金で予算オーバー(悪気のない有料会議室利用の積み重ねによって、当初の想定以上の月額利用料のアップしてしまった)などの問題が生じるからです。簡易かつシンプルにコスト計算が出来るシェアオフィスを選ぶのが望ましいでしょう。数多くのリモートワーク拠点を持つ会社にとって、そのすべてのオフィス利用をフォローするは大変ですから、「総務の代わり」の人員としてシェアオフィススタッフが常駐しているか、否かもオフィス選択の大切な要素と言えるでしょう。

働き方が多様化する時代となり、自社オフィスの縮小やワークスペースの見直し迫られる企業が増えています。今回は、シェアオフィスの利用価値やコスト削減に加え、シェアオフィスを選ぶポイントについてお話ししました。柔軟な働き方は今後益々定着していくでしょう。是非一度、シェアオフィスのご利用を検討してみてはいかがでしょうか。