レンタルオフィスへの移転(完全移行編)
2022年11月9日 2023年1月8日
通常ビル物件を賃借していた会社がレンタルオフィスへ移転するケースが加速しています。レンタルオフィスと言えば、これから起業する個人や、会社での人員増加が予想されるスペースの確保として「臨時的に」利用するスペースとして理解されており、小規模・少人数・短期での利用が大半でした。
しかし、働き方改革や働き場所を選択できる社会構造の変化によって、今では大企業や老舗店舗の事務所機能がレンタルオフィスへ移転するという時代になりました。規模も50名以上、中には延べ人数100~200名ほどの人数が利用できるレンタルオフィスがあるようです。
なぜ通常賃貸物件からレンタルオフィスへの移転が進んでいるのでしょうか。
主な移転理由は以下の点です。
(1)固定費の大幅削減
(2)リモートワークの定着化
(3)立地の利便性の高さ、最新設備
(4)人員増減に対する対応
(5)セキュリティ環境の安全性
(6)柔軟な契約態様
通常の賃貸物件からレンタルオフィスへ移転を考える最も多い理由の一つは、「固定費を減額したい」ということです。伝統的な会社では、ワークスペースを用意するとなると、従業員の人数分の什器を必ず一人一つ用意し、且つデスクワークの場所だけではなく、会議室・打ち合わせスペースを整えることが必要となり、ビジネスインフラとしてのネット環境の構築をしなければなりません。のみならず、その維持費、水道光熱費、さらにはトイレ、給湯室などの共有部分の整備費、その清掃費・維持費などが発生します。
一旦、これらのものを造作したり、什器などを揃えてしまえば、原則的には費用は発生しませんが、事業拡大に伴い人員が増えた場合にはこの限りではありません。足りない什器を追加購入したり、足りない打ち合わせスペースを造成したり、場合によってはフロア増床なども必要になります。
「働き方改革」でリモートワーク・テレワークが推進され、コロナ禍で、さらに自宅を含むリモートワークが一般化、定着化されました。社員がほぼ出社しない自社オフィスビル、賃貸ビルは、無駄に固定費用が計上されていくので、「もったいない」となり、通常賃貸からの撤退、自社オフィスビルの売却という流れになるケースが多いようです。
とはいえ、業種にもよりますが、自宅をメインとして完全フルリモートワークというのは、なかなかハードルがあります。そこで固定費用がそれほどかさむこともなく、オフィスとしての機能が備わっている「レンタルオフィス」への移転を決める企業・店舗(管理部門)が増加しました。
実際にレンタルオフィスを検索してみると、ほとんどのオフィスが主要駅の直結または徒歩数分圏内で、利便性に富んでいることが分かります。またオフィスのデザイン性にも優れ、オフィス機能としても、会議室が複数あり、ネット環境も一般の公共施設やカフェ等よりもしっかりしているので、オフィスとして使うことに安心できると思います。デザイン、オフィス機能を自社の費用で行うと莫大な内装費・構築費の負担となってしまうので、コスト面でも出費をかなり抑えられます。
ビジネスを進めていく上で人員増加(または縮小)というのは避けられない課題だと思います。通常賃貸では、人数にあわない広いスペースを借りてしまうと、人が増加するまでそのスペースは、デットスペースになりますし、逆に、足りないと増床しなければなりません。通常賃貸物件だと人数の増減に適したスペースの確保が非常に難しいと言えます。
レンタルオフィスでは、多様な人数で利用できるスペースがあります。また場合によっては、人数に合わせた部屋の造作も可能なオフィス(50名規模の個室を20名と30名用の個室に工事して変更する)もあるので、人員増加または減少といったことに対しても柔軟に対応してくれます。
意外に思われるかもしれませんが、他社が共有で利用する施設ということを前提にオフィスを設計しているので、レンタルオフィスのセキュリティはかなり強度で安心できるものとなっています。監視カメラ、警備員の定期巡回、カードまたは個人認証によるセキュリティパス、ログ情報も記録されています。会員制のレンタルオフィスでは、利用者が特定されているので、ますます安心感が増します
最後に、契約期間の柔軟性もレンタルオフィスが選択される大きな要因と言えます。通常賃貸物件の主たるものは、定期借家契約で、3~5年の定期での契約になります。上記でお話したように急な人員増加や、突発的な事業展開がある場合には、定期借家契約では対応出来ません。レンタルオフィスでは、通常1~2年の契約で更新(解約)の判断も1~3ヶ月で行えるところが多いです。
機動的な企業にとっても、また無駄なスペース・費用を削減したい大手企業、老舗店舗にとって、レンタルオフィスは最適なオフィススペースと考えます。