起業家解体新書(株式会社UBIC)

2010年6月4日

起業家解体新書 VOL.2

株式会社UBIC
代表取締役 守本 正宏(もりもと まさひろ)
1966 年大阪府生まれ。防衛大学校理工学部卒。
海上自衛隊任官。95年アプライド マテリアルズジャパン株式会社入社。03年新事業創出促進法により確認株式会社 (通称1円株式会社)として株式会社UBICを設立、代表取締役社長に就任。07年東証マザーズ上場。公認不正検査(CFE)、NPOデジタル・フォレンジック研究会理事、警察政策学会会員。
「クロスコープは画期的でした。リーズナブルな値段で赤坂に会社を作れるとは思わなかったんです。」
―今回は守本さんが起業した頃のお話からお聞きしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
 守本:よろしくお願いします。
―さて、弊社を利用して頂いていたのは2003年9月から1年間くらいでしたよね。
   守本: そうですね。私がいた頃は、まだ他にレンタルオフィスもなくてクロスコープは画期的でした。リーズナブルな値段で赤坂に会社を作れるとは思わなかったんです。
―ありがとうございます。
 守本: 先程ホームページを拝見したら、値段は当時のままなんですね。私が入居していた7年前に比べるとだいぶ快適になりました。
 守本: ライバルもだいぶ増えたみたいですよね。あの頃はインキュベーションオフィスといったらクロスコープくらいしか無かったんですがね。
―そうですね。インキュベーションオフィス業界の先駆けではありましたね。
ーさて、守本さんの経歴についてお話を伺えればと思いますが、プロフィールを拝見しましたら、元々自衛隊にいらっしゃったのですね。
 守本:そうですね。国防に携わりたいと考えていたので、防衛大学校の理工学部に進み、海上自衛隊に入隊しました。 大型の乗り物を操縦することに興味がありましたし、一番の希望は戦闘機に乗りたかったということもありましたしね。
―幼少の頃から、興味があったのですか?
 守本:そういう訳ではありませんでしたが、サラリーマンなるというのはあまり考えてなかったですね。
夢はヒーローになりたかったんです。
―ヒーローですか?
 守本:国のためにという想いが強かったんだと思います。
―それが、自衛隊入隊というところに繋がったんですね。その後、民間企業に就職されてますね。
 守本:ええ。家庭の都合で退官することになり、民間企業に就職をしました。
―この就職先が、半導体製造装置を作っている会社ですね。
 守本:自衛隊には自衛隊援護協会というものがあるのですが、そこで仕事を紹介されて就職しました。
―アプライド・マテリアルズジャパン、というところですね。半導体という業種に進みたい、というのは考えていたのですか?
 守本:卒業研究で半導体の研究をしていたので、それで偶然その会社に決まったという感じです。
―自衛隊から民間企業への就職となったわけですが、ギャップは感じませんでしたか?
 守本:もの凄く感じましたね(笑)
自衛隊とは全く違う雰囲気ですから。でも、運が良かったのは、そこが外資系だったということです。
―どういうことですか?
 守本:海上自衛隊と米国海軍というのは結構交流があり、海外の人間とやり取りするのは抵抗がなかったのです。 その会社にも米国海軍からの就職組がいたりして、話してみたら、同じ作戦に参加していたことがあったりしました。
―それは意外なつながりでしたね(笑)
「勢い」と「使命感」が起業家精神かもしれない
―アプライド社には8年間程お勤めになられて、その後独立されてますが、キッカケはなんでしょうか?
 守本:磁気半導体業界全体が沈んだ時期がありまして、会社が国内事業を縮小するということになったんです。
その時に知人から、デジタルフォレンジックという技術を日本に広める、という話を聞いたのがキッカケです。
―デジタル・フォレンジックとはどの様な技術なのでしょうか?
 守本: 簡単に言うと、デジタル情報を調査、解析する技術のことです。
―どの様な場合に必要なのでしょうか?
 守本: 相手方から訴訟を起こされ、情報提示を求められた際、不必要な情報を出して損害を被らないように情報を解析するのです。 
―その技術を広める、というのはどういう仕事になるのですか?
 守本: その知人が、代理店をやるというので手伝わないか、ということだったのです。
―当時、守本さんは37歳だったと思われますが、迷いはありませんでしたか?
 守本: それはありましたよ。ですが、変な自信というか、絶対にうまくいくという思いもありました。
さらに、この技術は日本には無い技術なのです。当時、情報化社会が叫ばれている時代で、情報を解析する技術が日本に無いのはおかしいし、今後、日本という国の為にもならないと思いました。
―国の為に、というわけですね。
 守本: そうです。ちょっと大げさかも知れませんが。勢いもありました(笑)
―なるほど。起業家の方に話を聞くと、同じように「勢い」と仰いますね。
 守本: 恐らく、それが起業家にとって大事なんですよ。
起業する時のモチベーションがなんであれ、それが強ければ行動につながりますし。
実はこの時、アメリカに来ないか、という話もあったのです。でも、やはり自分でやってみたいという思いもあり、誰もやらないなら自分がやるしかないという変な使命感というか。
―「使命感」も良く聞きますね。
 守本:「勢い」と「使命感」の二つが起業家精神と言うものかも知れません。後は「運」ですね。
信頼できる仲間がいるのは大きいですね。
―確か会社を辞められたのが、2003年6月。販売開始が2004年8月ですよね。
この間は何をなさっていたのですか?
 守本: 実は、会社を辞める段階で、まだ代理店の契約はできていなかったのです。
―勢いですね(笑)
 守本: そうです。また、商売のやり方もわからない状態でしたから、この期間を準備期間にしようと思っていました。
色々やってみて、勉強しようと。手回しで発電する懐中電灯を売ったりしてましたからね。
―そういえば、やられていましたね。思い出しました。イベントで販売したりしてましたよね。
 守本: ええ。法被を着て自ら売ってましたよ。今の姿からは想像出来ませんが(笑)
―そういった辛い時期を乗り越えてるわけですね。
 守本: そうですね。辛い時期でしたね。弱気になる事もありました。今まで定期的に入っていた収入が無くなってしまったし、なんで会社辞めてしまったのだろうか?なんて思ったり、将来が不安になることもありましたよ。
―そういった時に、どうやって自分を奮い立たせるのですか?
 守本: 自分で自分を信じ切ってましたからね。ちょっと弱気になっても、「やるしかないんだ!」という気持ちですよね。
―覚悟を決めて前に進むわけですね。
 守本: そうです。そうこうしている内に一緒にやってくれる仲間も出来ました。
それが今の副社長ですけれども、彼が信頼してついてきてくれたのも大きいですね。
二人とも給料無しで、朝から晩まで働いてました。
―そういった信頼関係も大きかったのですね。
 守本: そうですね。 やはり信頼出来る仲間がいる、というのは大きいですね。
努力が報われた瞬間です。やっとスタートに立てた。
―代理店の契約はすぐに出来たのですか?
 守本:いえ、簡単ではなかったですね。何しろセキュリティに関わる技術ですから我々の様などこの輩かもわからないような日本人に、そう簡単に情報を委ねたりはしないわけです。
―確かにそうですよね。
 守本: この技術は警察も使う技術ですから、おいそれとは許可がおりないのです。
しかも商売は素人。まずは代理店になるために、信用を得なくては、と思いました。
―具体的にどうのようなことをしたのでしょうか?
 守本: 流通ルートの開拓営業はもちろんですが、まずは啓蒙活動をしようと考えNPO法人を設立しました。ただ、それでもなかなかうまくいかない。そもそも、流通ルートを作る、と言ってもこれがなかなか難しいのです。日本にこの概念が無いので。
―確かにそうですね。
 守本: となるとこの技術を説明しなくてはいけないのですが、セキュリティに関することなので、技術をおおっぴらに公表するわけにはいかない。
―ジレンマですね。そこからどうやって脱却を?
 守本: 実は、ここでひょんなことからご縁がありましてフォーカスシステムズという会社の会長と会う機会を頂いたのです。 ―システム開発と暗号化技術などのセキュリティも取り扱う企業ですよね?
 守本: そうです。その会長が、私と会って、ものの数秒で支援を決定してくれたのです。
―ものの数秒ですか?
本当に数秒でしたね。二言三言話してすぐでしたから。世の中にはこういう人もいるんだなと。
―凄い出会いですね。
 守本: ええ。この出会いを通して、様々な流通ルートを開拓し、その御陰で売上が伸びました。その実績でやっと代理店契約を結べたわけです。
―ここでやっと代理店契約なのですね。長い道のりでしたね。
 守本: ええ。大変でしたね。努力が報われた瞬間です。やっとスタートに立てた、と
もう何度も駄目かと思いました。
―その後2007年には上場されていますが、当時から上場する気持ちはあったのですか?
 守本:いえ、最初は全く考えていはいませんでしたね。でも、この技術をさらに広める為には、上場することが一番良いと思ったのです。この技術は、情報を調査、解析する技術です。そして、日本にこの技術はまだ無い。悪い言い方をすれば、この技術はスパイ技術なんですよ。情報を解析するわけですから。
そんな技術を、名前も知らないベンチャー企業が勧めてきても、信用しないでしょう?
―確かにそうですね。
 守本:となると、まずは企業としての信用力が大事になるわけです。そこで上場を考えました。
―それでも上場を果たすには物凄いエネルギーいると思うんですが、何がそこまで守本さんを動かすのですか?
 守本: この技術を日本に広めないと、日本が危ない、という想いですね。
啓蒙活動をするにしてもやはり信用力は大事ですから、その点からも上場は必要だったのです。
―そうは言っても、簡単には出来ませんよね?
 守本: そうですね。簡単では無かったですね。何しろ、扱う技術が技術なだけに、その実例を見せるわけにもいかないんですよ。
これは常に我々の悩みなのですが、関わった企業や、裁判を公表出来ないのです。
―確かに、難しいところですよね。
 守本: ところが上場するとなると、まず証券会社が我々を認証してくれないといけない。
過去の実績があって、将来の展望もある、ということであれば問題はないのですが、我々にはまだ過去の実績が無いのです。
―となると、実績を作る必要があったわけですね。
 守本: そうです。ここで、過去に働きかけた流通ルート開拓が効いてきたのです。
―過去の努力が効いてきたわけですね。
 守本: ええ。情報化社会が進んで、個人情報が叫ばれている時代でもありましたし、時代の風に乗ることが出来たとは思っています。そうは言っても大変でしたが。
―確か上場審査が厳しくなった時代ですよね。
 守本: そうなんです。もの凄く厳しくなった時代で、上場の審査の時は三日三晩、面接と資料作成で寝る暇も無かったです。
―三日三晩ですか?
 守本: これは例え話ではなくて、本当に三日三晩でした。もう何度もこれはダメだと思いましたね。通常こんなに時間がかかるような事はないみたいなんですが、やっとの思いで臨んだ審査の最後で「何か言いたいことはありますか?」と言われて本当にこれはダメだと思いました(笑)
―最後の一言はなんと言ったのですか?
 守本:「うちは普通のIT企業ではない。日本を守るという使命をもった会社なのだ。」と言いました。
それが効いたのかは分かりませんが、その後、役員面接を経て、やっと上場出来ました。
情報漏えいした時に、いかに被害を広げないようにするか。
―アメリカの連邦民事訴訟規則にはディスカバリーという手続きがありますが、2006年に新たに電子情報に対するディスカバリー(以下Eディスカバリー)が明文化されました。元々この規則の改正の事を視野に入れていたのですか?
 守本: いいえ、この法律が制定される前から仕事はしていましたから。ただ、確かにこの法律が明確化されてからは追い風になりましたね。
―Eディスカバリーの説明を簡単にお願いしたいのですが。
 守本:Eディスカバリーという言葉は正式なものではありません。ディスカバリーが正式な名称です。ディスカバリーとは米国の民事訴訟において、原告、被告ともに訴訟に関連がある証拠を開示し、訴訟の早い段階で争点を整理するために行われる手続きです。そのなかで電子情報を開示する手続きをEディスカバリーと呼んでいます。この開示要求は、データセンターにある情報であろうとなんだろうと、訴訟に関連がある証拠は全て開示しなければならず、もし開示しなければ制裁の対象になるというものです。
―全て、ですか?
 守本: そうです。全てです。
ただし、「本当に必要な情報を全て」です。
―その「本当に必要な情報」を解析するために、御社の技術が必要なのですね?
 守本: その通りです。先程お話した、「デジタルフォレンジック」という技術です。
―情報を調査、解析する、ということでしたが、具体的にはどの様なことをするのですか?
 守本: 例えば裁判等で、情報提出をする際に使われます。と言っても、用紙での提出ではなく、最近はオンライン上でサーバーを用意し、そこにアクセスすることで情報を参照する、というのが一般的です。
我々の技術は、そのサーバーのセキュリティはもちろんですが、情報参照の際に、必要な情報は適切に開示しますが、必要以上の情報は開示しないようにすることです。
―難しい話ですね・・
 守本:馴染みの無い話でしょう?でも、意外と日本でも使われているんですよ。
例えば、ニュースで「メールを解析して発信元を突き止めた」とか、「個人情報漏洩の原因は何々でした」と言った場合に、この技術が使われているんです。
―ということは日本の裁判でも使われているのですか?
 守本: 日本の裁判では、まだまだこの技術が使われる事例は少ないと思います。
日本における裁判ではまだ、Eディスカバリーの様な開示を強制される法律はありませんので、まだ必要ないのかも知れません。ただし、ダメージコントロールという考えがありますので、今後裁判以外でも必要になると思いますよ。
―ダメージコントロールとは?
 守本:軍隊にもある考え方なのですが、軍隊の場合で言えば、自国や味方部隊が攻撃や衝撃を受けた時に、そのダメージを必要最小限にして任務を遂行するための方法や概念のことです。
情報化社会に当てはめれば、企業で情報漏えいした時にいかに早期に犯人を見つけ被害状況を把握し、この被害を広げないようにしながら、企業活動が継続できるようにする。また、その原因はなんだったのかと解析し次の被害を防ぐ、といったところですね。
我々の技術は世界でも十分に戦える、というより世界一です。
―事業を続けている中で難しいと感じる部分はありましたか?
 守本:そうですね。やはり多くの人がこの技術を知らない、というところですね。
殆どの場合、訴訟になって初めて私たちの技術があることを知るのです。
―確かにそうですね。一般的には全く知られていないですよね。
 守本: ええ。裁判という局面になって、初めてフォレンジックがある、ということを知ります。その時に私たちのことも知るのです。
―となると、日本の企業が米国で裁判をすることになった場合、日本企業は素人同然ということですか?
 守本: その通りです。そこが一番問題なのです。極端な話、初めて米国で裁判をすることになった日本企業に、Eディスカバリーに基づく開示要求がされたら、どこまで公開したらいいのかわからないのです。
―でも、弁護士をつけるわけですよね?
 守本: そうですね。弁護士がしっかりと付きますね。
―それならば大丈夫な気がするのですが・・・。
 守本: これが全然大丈夫じゃないのです。
海外に拠点を持つ日本の企業は、Eディスカバリーの実態を知らない事が多いのです。となると、Eディスカバリーに強いと思われている弁護士に頼ろうとします。
―日本の法律事務所の弁護士では無理ですね。
 守本: 無理ではないと思いますが、実際に日本の法律事務所の弁護士が代理人となっている例は少なくとも私は知りません。なので、米国の弁護士が付きます。そして、米国のデジタルフォレンジック技術を持つ会社が仕事を請け負う。
―日本の企業が米国の企業に機密情報を解析してくれ、と依頼するということですか?
 守本: そういうことです。しかも、米国の弁護士は我々の技術が上でも米国の企業を使おうとします。考えてみれば当たり前の話で、訳の分からない日本の企業よりも自分の国の企業を使おうとしますよね。
―それはそうですね。その方がよく分かっていますから。
 守本: 日本人であれば、相見積をとったりしますよね?ところが向こうはそんなものは無い。弁護士が選んで決まりです。というか依頼していることすら知らされないこともあります。
―企業側は何も言わないのですか?
 守本: 日本では弁護士をどうしても崇拝する傾向があるでしょう。だから、企業側も弁護士に対しては何も言わないのです。弁護士の言うことが正しい。となる。
―ちょっと意外ですね。
 守本: 正直、我々の信用度はそういった企業にとってはゼロに近い。
我々は日本の技術を守ろう、と理念を掲げてますが、我々の理念をUBICは商売っ気が強くて駄目だ、という風に理解されるわけです。
仮に相見積もりをとったとしても、米国企業は価格を3分の1くらいで出してきます。
―そんなに安く出来てしまうのですか?
 守本: そこが落とし穴なのです。商習慣の違いなのですが、米国ではポテンシャルコストという考えがあるので、最初は安く見積もって、徐々に値段を増やしていくのです。
―日本では考えられないですね。
 守本: そうです。見積をみせられても、まさかあとから上がっていくなどとは考えませんから、結局そこを選んでしまう。 そんな価格では絶対に出来る訳がないと説得するんですがやはり聞き入れてもらえない。
―米国には同業他社も多いのですか?
 守本: ええ。約500社ほどありますね。そのうち上場している企業もしくはその関連会社が約30社です。
―そこに勝負を挑んでいるわけですね。
 守本: そうです。しかし、土俵に上がれないことすら多々あります。それでディスカバリー手続きに予想以上に大幅なコストや負担がかなりかかってしまうのだから残念な話です。ちなみに手続きの成否によるコストの差は少ないときで数千万から一億円前後の差がでます。場合によっては数億です。
―やはり技術の差は各社それぞれあるわけですよね?
 守本: もちろんです。我々の技術は世界でも十分に戦える、というより世界一です。
何よりも、日本語の処理能力にかけては我々には勝てません。
日本の企業はもっと危機感を持つべきだと思います。極端なことを言えば、裁判を起こされたら、海外の企業に機密情報を渡さなければならない、ということなのですから。
―だからこそ、日本の企業がもっと知らないといけないのですね。
 守本: その通りです。今まで我々が提案に行ったクライアントは、まず他のところに頼みます。そこで100%選択のミスに気づく。そして、次に我々のところに来るのです。この最初の失敗をしないで欲しいのです。
―現在も海外に支店がありますが、今後も海外展開を考えているのですか?
 守本: そうですね。この業界に強いのは欧米だと考えられているのですが、実は、そうではないのです。この業界で日本人はものすごく強い。サービス面でも欧米の企業に全く負けていない。
―そうなんですか?
 守本: この業界で日本人がトップになることが、クライアントにとっても幸せなことなのです。
我々のサービスを利用する場面というのは、決して楽な状態ではないのです。
殆どが、裁判で証拠を提出しろ、と言われている様な切羽詰まった状態です。
―確かにそうですね。
 守本: そういった状況の中で、いかに質の良いサービスをきめ細かく提供出来るか、というところが勝負どころなのです。
日本人は、クライアントのために少しでも良くしようと考えるでしょう?となると、やはり日本人は強い。
―確かにきめ細かいサービスでは負けない気がします。
 守本:凄いんですよ日本人は。これはもう日本の商習慣でしょう。
―提供する技術も自社開発しているのですか?
 守本: ええ。昔は技術開発を欧米の企業にお願いしていましたが、我々のレベルとスピードに追いつかなくなってきたのです。
そこで、技術も自社開発することにしました。スピード、正確性、サービスの追求は日本が一番でしょう。
この業界でトヨタのような存在になることを目指しています。
―他にもお考えのことはありますか?
 守本:あります。我々のノウハウを活かして、いま会社に眠る知財をどう生かすか、という支援を考えています。
実は、世の中にある大抵のことは調べる事ができるのです。90%が公表されている情報と言っても過言じゃない。 特許も公表されているし、電子情報であれば、ほとんど調べることが可能です。
―90%もですか?
 守本: そうです。今後はもっと割合が高くなるかも知れません。
まだまだ、会社に眠っているノウハウや、知財は多くあるはずです。これらをいかに活用するかが今後の日本の力になるはずです。
―情報が多すぎて活用出来ないという事例も多いですよね。
 守本: そうです。そこから、情報を調査、解析して必要な知財を引き出す。という技術が必要になるのです。
ただし、まだまだ日本には馴染みのない技術なので、啓蒙活動を続けないといけないですけどね。
いつかUBICがあって良かった、と言ってもらえるように頑張ろうと言いたいですね。
 
―日本で同業他社はいるのですか?
 守本: いいえ。正確に言うとないとは言えませんが、日本独自の技術とリソースでこの技術を提供している企業は他にありません。
―UBIC社だけで、今後対応していくことは可能ですか?
 守本: もちろん可能ですが、本当に日本の為を考えたら、もっと同業他社に進出してきて欲しい。
もっと多くの企業が立ち上がれば、もっと日本の為になるはずです。
真の競争相手がいれば、市場も活性化します。
―かかってこい、というわけですね。
 守本: そこまでは言わないですけどね(笑)もちろんそれでも負けません。
これまで日本にはこのようなリーガルテクノロジーが無かった。これは物凄くおかしな話です。
日本の技術力が海外に持っていかれてしまっているのも当然ですからね。
―そうですよね。
 守本: だから、この考えが日本に根付くことは物凄く良いことなのです。
この業界が成長していくに連れて、日本技術力もさらに強いものになると思います。
行く行くは、リーガルテクノロジー業界でトヨタのような存在になることを目指しています。
なによりも最後までやる、という気持ちを持つ。そして行動する。
―今後起業を目指している方に一言お願いできますか?
 守本: 大事なのは、覚悟を決めて、最後までやり通す!と腹をくくることです。
起業するというのは、大変なこともあります。今でもたまに、サラリーマンに戻りたいと思うこともありますしね(笑)
でも、起業をするというのは社会貢献もできるし、雇用も創出する事が出来る。凄く良い経験が出来ます。
覚悟を決めてやっていれば、周りも助けてくれます。
だから、ビジネスモデルも大事ですが、なによりも最後までやる、という気持ちを持つ。そして行動することが大事だと思います。
起業家がもっと増えれば、日本はもっと良くなります。頭で考えているだけでなく行動しましょう。
株式会社UBIC
設立:2003年8月8日
資本金:452,443,750円(2010年1月6日現在)
上場市場:東京証券取引所マザーズ
http://www.ubic.co.jp/