レンタルオフィスで宅建業は開業できる?メリット・注意点も解説!
2024年12月5日
宅建業での開業を目指している方の中には、オフィスコストを抑えるためにレンタルオフィスを事務所として活用できないか検討している方もいるでしょう。宅建業はレンタルオフィスでも開業できますが、満たすべき要件や気を付けたいポイントがあることにも注意が必要です。
この記事では、宅建業に関する理解を深めた上で、レンタルオフィスで宅建業を開業するメリットや満たすべき要件、注意点について解説します。宅建業の事務所としてレンタルオフィスを選ぶ際のポイントも併せて確認し、宅建業の開業が見込めるレンタルオフィスを検討してみましょう。
1. 宅建業はレンタルオフィスでも開業可能!
2. レンタルオフィスで宅建業を開業する4つのメリット
3.レンタルオフィスで宅建業を開業するための主な要件6つ
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3-1. (1)自社専用の独立した出入口がある
3-2. (2)他法人との間に仕切りが設けられている
3-3. (3)適切な事務所スペースが確保されている
3-4. (4)24時間365日独占して使用できる
3-5. (5)最低1年以上の長期間のレンタルができる
3-6. (6)必要な掲示物を設置している
5.宅建業の事務所としてレンタルオフィスを選ぶときのポイント
6.まとめ
1. 宅建業はレンタルオフィスでも開業可能!
結論から言うと、宅建業は一般的な賃貸オフィスだけでなく、レンタルオフィスを事務所として開業することが可能です。
ただし、宅建業の事務所としてレンタルオフィスを利用するには、さまざまな要件を満たす必要があります。要件を満たすオフィスかどうか、事前にしっかり確認するようにしましょう。
なお、レンタルオフィスとは、複数のユーザーに貸し出されているオフィスのうち、専有スペースの1つを契約して利用するタイプのシェアオフィスを指します。
専有スペースにはデスクやイスなどのオフィス家具やインターネット環境が整備されているケースが多く、会議室やコピー機などは他の利用者と共有するケースが一般的です。
1-1. そもそも宅建業(宅地建物取引業)とは?
宅建業(宅地建物取引業)は不動産業の一種であり、宅地建物取引業法に基づいて、宅地や建物の買取・販売などを行う業種のことです。
宅地や建物の取引は高額となるケースが多いため、「宅地建物取引業免許」を取得した事業者しか宅建業に参入・開業できない仕組みが整備されています。宅建業を開業・経営するためには、個人・法人を問わず「宅地建物取引業免許」が必要となることを押さえておきましょう。
宅地建物取引業免許が必要な事業には、下記のようなものがあります。
● 戸建て住宅販売
● 分譲マンション販売
● 不動産開発業(デベロッパー業)
宅地建物取引業免許を取得するためには、事務所を設置する都道府県に申請し、各都道府県知事の承認を受ける必要があります。免許取得の段階で「継続的に業務を行える独立した形態の事務所」が必要となることに注意しましょう。
2. レンタルオフィスで宅建業を開業する4つのメリット
レンタルオフィスで宅建業を開業することには、下記のようなメリットがあります。
【レンタルオフィスで宅建業を開業する4つのメリット】● ランニングコストを削減できる
● 好立地に事務所を構えられる
● 他の事業者との交流を図れる
ここでは、上記の4つのメリットについて解説します。
2-1. 初期費用を最小限に抑えられる
レンタルオフィスで宅建業を開業する大きなメリットの1つとして、初期費用を最小限に抑えられることが挙げられます。
一般的な賃貸オフィスでは、入居する際に敷金・礼金、保証金などの金銭的負担がかかる場合が多く、物件や地域によっては、数百万円単位の支出となることも珍しくありません。
一方、レンタルオフィスでは、入居時に入会金・保証金の支払いを求められる場合もあるものの、賃貸オフィスほど高額にならないケースが一般的です。
また、レンタルオフィスでは多くの場合、デスク・イスなどのオフィス家具や、インターネット、電話など業務に必要な環境が整備されています。賃貸オフィスのように一から環境を整える必要がないため、開業初期にかかる手間やコストを大幅に節約できるでしょう。
2-2. ランニングコストを削減できる
レンタルオフィスでは、賃貸オフィスよりも小さなスペースを借りることができます。従業員の人数に合った広さの部屋を借りられるため、賃料を最小限に抑えられるでしょう。 また、レンタルオフィスの賃料には、通信費や水道光熱費、設備のメンテナンス代、管理費などが含まれているケースがほとんどです。賃料以外のランニングコストも最小限に抑えられるため、固定費の削減につながるでしょう。
2-3. 好立地に事務所を構えられる
レンタルオフィスの多くは、主要駅の近くやビジネスエリアなど、アクセスが良好で社会的な信用が高い場所に建てられています。
このような一等地で賃貸オフィスを利用するには多額のコストがかかる上に、利用できる物件を探すことも難しいでしょう。しかし、レンタルオフィスを利用すればコストを抑えられるため、1人からでも一等地のオフィスでの開業を目指せます。
アクセスが便利な立地に事務所を構えることで、集客力の向上も期待できるでしょう。
2-4. 他の事業者との交流を図れる
複数の事業者が同じフロアを共有するレンタルオフィスでは、共有スペースを利用する際に事業者どうしで交流を図れるというメリットもあります。
レンタルオフィスの運営会社が交流会やパーティーなどを開催する場合もあるため、このような機会を利用すれば新しい人脈を築くこともできるでしょう。新しいビジネスチャンスや事業拡大も期待できます。
3. レンタルオフィスで宅建業を開業するための主な要件6つ
宅建業はレンタルオフィスでも開業できるものの、事務所として認められるためには下記のような厳しい要件をクリアする必要があります。
【レンタルオフィスで宅建業を開業するために満たすべき6つの要件】(2)他法人との間に仕切りが設けられている
(3)適切な事務所スペースが確保されている
(4)24時間365日独占して使用できる
(5)最低1年以上の長期間のレンタルができる
(6)必要な掲示物を設置している
ここでは、上記の6つの要件についてそれぞれ詳しく解説します。
3-1. (1)自社専用の独立した出入口がある
宅建業の事務所には独立性の確保が求められており、自社のオフィススペース内に他社の従業員・来客者が出入りできない状態にしておかなければなりません。共有部などの通路を除いて、自社の従業員や来客者が他社を通ることなく自社スペースに出入りできる「自社専用の独立した出入口」が必要です。
レンタルオフィスは自社が専有できる個室があるため、「自社スペースに直通する出入口がある」という条件を満たせば開業できる可能性があります。
一方で、レンタルオフィスと似たオフィス形態の「コワーキングスペース」や、物理的な事務所がない「バーチャルオフィス」では宅建業を開業できないことに注意しましょう。
3-2. (2)他法人との間に仕切りが設けられている
「事務所の独立性を確保する」という条件を満たすためには、自社専用の出入口があるだけでなく、他法人との間に仕切り(パーティション)が設けられている必要があります。 壁やパーティションは床から天井まで塞がれている必要はないものの、高さが180cm以上ある固定式のものでなければなりません。以上の条件を考慮すると、レンタルオフィスで宅建業を開業する場合は、完全個室のスペースを利用することが望ましいと言えるでしょう。
3-3. (3)適切な事務所スペースが確保されている
宅建業の事務所として認められるためには、社会通念上、事務所として認識できる程度の適切な事務所スペースが確保されていることも大切です。レンタルオフィスで利用する個室を選ぶ際には、宅建業を行う従業員数(社長を含む)+1名程度の執務スペースが確保できるかどうか確認しましょう。
また、執務スペースとは別に、自社が専有するスペース内に来客対応スペースを確保することも求められます。「対面式で接客できること」「それぞれに必要な家具や家電を置けること」「動線を十分確保できること」といった条件も満たす必要があることも押さえておきましょう。固定電話の設置も必要となるため、配線を考慮することも大切です。
3-4. (4)24時間365日独占して使用できる
宅建業の事務所には「継続的に宅建業の業務を行えること」も求められています。つまり、他社から独立した自社専有スペースで執務と来客対応が可能な事務所を、24時間365日いつでも独占的に使用できる状態にしておく必要があります。
レンタルオフィスの場合、入居しているビルの管理状況によっては、24時間365日の利用が難しいケースも少なくありません。レンタルオフィスで宅建業を開業する際には、24時間365日営業しており、自社が特定のスペースを継続的に専有できるレンタルオフィスを選ぶことが大切です。
また、宅建免許を申請する際には、継続的に宅建業の業務を行えるスペースであることを証明する必要があります。レンタルオフィスを選ぶ際には、申請の際に提出できる証明書を発行できるかどうかを確認しておくことも重要です。
3-5. (5)最低1年以上の長期間のレンタルができる
宅建業の事務所は基本的に1か所に定着させる必要があり、一度開業すると簡単には移転することができません。そのため、最低でも1年以上の長期間のレンタルや年数単位で契約できるレンタルオフィスを選ぶ必要があります。 また、宅建業の事業を続けている間に、利用しているレンタルオフィスが廃業になった場合は事務所の移転を余儀なくされてしまいます。突然の出費や予期せぬ手間を防ぐために、廃業の恐れが少ないレンタルオフィスを選ぶこともポイントです。
3-6. (6)必要な掲示物を設置している
宅建業の事務所には、次のような掲示物を設置したり保管したりすることが義務付けられています。レンタルオフィスを選ぶ際には、下記の掲示物を設置できるかどうかも考慮しましょう。
【宅建業の事務所に必要なもの】
掲示物 | ● 標識 ● 報酬額 |
---|---|
事務所に保管しておくもの | ● 帳簿 ● 従業員名簿 |
設置が必要なもの | ● 成年者かつ選任の宅地建物取引士(宅建士) |
また、事務所の表札や事務所名が記載されたポスト、固定電話といった設備も必要です。表札やポストの設置、固定電話のレンタルなどが可能なレンタルオフィスを選ぶようにしましょう。
4. レンタルオフィスで宅建業を開業する際の注意点
宅建業の事務所として認められるには、原則として1か所に定着しており、簡単に移転しないことが大切です。
レンタルオフィスは賃貸オフィスと比べると契約期間が短く、移転も容易にできてしまうことから定着性に乏しいと見なされる場合もあります。レンタルオフィスでも宅建業を開業できるケースはあるものの、本来は宅建業の事務所としての使用に向いているオフィス形態ではない点に注意してください。
また、レンタルオフィスを長期間利用する場合、一般的な賃貸オフィスよりも総合的なコストが高まる恐れもあります。立地などレンタルオフィスならではの魅力を優先するか、コストを優先するかによって、適切な事務所形態が異なることに留意しましょう。
レンタルオフィスによっては、利用に際してさまざまな制約を設けている場合があることにも注意が必要です。宅建業の事務所としてレンタルオフィスを使用したい場合は、レンタルオフィス業者に宅建業の事務所として使用してよいか事前に許可を取っておきましょう。
宅建業や不動産業の事務所として使用された実績があるレンタルオフィスでも、事前の確認や相談なしに契約することは避けたほうが無難です。「同業者が利用しているから問題ない」と思い込まず、契約する前に現在の宅建業免許の基準や要件を満たしているか十分に確認するようにしましょう。
このように、レンタルオフィスで宅建業を開業する際には注意すべきポイントがいくつかあり、専門的な知識が必要となる場面も少なくありません。行政書士などの専門家に相談しながら、着実に手続きを進めていくことが大切です。
5. 宅建業の事務所としてレンタルオフィスを選ぶときのポイント
宅建業の事務所としてレンタルオフィスを選択する場合、定められた要件を満たせるかはもちろん、スムーズに事業を営むためのポイントを押さえておく必要があります。下記のようなポイントを押さえた上で、自社に合ったレンタルオフィスを選びましょう。
【宅建業事務所向け】レンタルオフィス選びで押さえておきたいポイント
●セキュリティシステム
宅建業では顧客の個人情報を多く取り扱います。取引で扱う金額も大きいため、セキュリティ面は特に重視すべきと言えるでしょう。
料金システム
事務所にかかる費用を可能な限り抑えるためには、レンタルオフィスの料金システムも十分に確認することも大切です。水道光熱費や空調費用、清掃費用など、オフィスの維持に必要な費用が月額料金に含まれる料金体系の場合、別途請求がないため安心して利用できるでしょう。
また、基本料金が安くても有料のオプションサービスが高額となる可能性もあります。複数のレンタルオフィスで迷っている場合は、まずは自社に必要なサービスを洗い出し、その上で必要となる費用を比較するようにしましょう。
レンタルオフィス「クロスコープ」では、オフィス家具やインターネット環境などが整備された個室の執務スペースを24時間365日使用することが可能です。防犯カメラや顔認証システムなどセキュリティ面での安全性も高く、主要都市の一等地にあるため企業としての信用度を高めることもできるでしょう。
「クロスコープ」では、宅建業の入居実績がある契約プランも提供しています。レンタルオフィスで宅建業の開業を検討している方は、ぜひ一度「クロスコープ」にお問い合わせください。
6. まとめ
宅建業はレンタルオフィスでも開業できる場合があり、「初期費用やランニングコストを節約できる」「好立地に事務所を構えられる」などのメリットもあります。一方で、レンタルオフィスで宅建業を開業するには満たすべき要件も多いことに注意が必要です。レンタルオフィス業者や行政書士などの専門家に相談しながら、手続きを進めるようにしましょう。
宅建業の事務所としてレンタルオフィスを選ぶ場合、要件や注意点と併せてセキュリティ面・料金面について考えることも大切です。高セキュリティで水道光熱費などの別途請求がなく、事務所としての要件を満たすための什器の持ち込みにも対応している「クロスコープ」をぜひご検討ください。
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