2023年4月7日 2025年10月30日
オフィス物件にはさまざまなタイプのものがありますが、起業の際にレンタルオフィスや賃貸オフィスを選ぶという方も少なくありません。この記事では、レンタルオフィスと賃貸オフィスの違いについて詳しく紹介します。
1. レンタルオフィスと賃貸オフィスの違いとは?
2.レンタルオフィスのメリット
3. レンタルオフィスの注意点
4. 賃貸オフィスのメリット
5. 賃貸オフィスの注意点
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5-1. 初期投資・ランニングコストが高額になりやすい
5-2. 契約期間が長く柔軟性に欠ける傾向にある
5-3. 内装・什器・インフラ整備の手間がかかる
5-4. 退去時に原状回復費がかかることが多い
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6-1. 契約期間と更新条件を確認する
6-2. 初期費用と解約時費用の全体像を把握する
6-3. 将来的な事業規模や働き方を見据える
6-4. セキュリティやプライバシーの要求水準を明確にする
6-5. 内装・設備にどこまでこだわるかを明確にする
8.まとめ
1. レンタルオフィスと賃貸オフィスの違いとは?
レンタルオフィスと賃貸オフィスにはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれで異なるポイントを解説します。
1-1. 契約形態や期間の違い
レンタルオフィスと賃貸オフィスでは、契約形態や期間が大きく異なります。
一般的にレンタルオフィスは短期・月単位での契約が多く、柔軟に契約変更や退去が可能です。そのため、短期的な利用や柔軟な働き方を求める企業に適しています。
たとえば、プロジェクトの期間中だけオフィスが必要な場合や、事業の成長に合わせてオフィスの規模を柔軟に変えたいスタートアップに適した選択肢だといえるでしょう。
一方で賃貸オフィスの場合には、通常1〜2年程度の長期契約が一般的で、途中解約には違約金などの制約が伴うことがほとんどです。事業の基盤が安定し、将来的な計画が明確な場合には利用しやすいスタイルだといえるでしょう。
契約の将来性という観点から、レンタルオフィスは「変化に強い」選択肢、賃貸オフィスは「安定を求める」選択肢といえます。
1-2.初期費用・ランニングコストの違い
オフィスを選ぶ際、初期費用とランニングコストは重要な判断基準です。
レンタルオフィスは圧倒的に初期費用を抑えられる点がメリットです。敷金や礼金といった初期費用が不要な場合が多く、机や椅子、Wi-Fi環境といった設備も最初から備わっているため、購入費用や設置工事費が一切かかりません。そのため、事業を始めたばかりのフリーランスや中小企業でも、資金的な負担を最小限に抑えてスムーズに事業をスタートできます。
一方で、賃貸オフィスは契約時に敷金(保証金)や礼金、仲介手数料などがかかるのが一般的です。さらに、内装工事費やデスク、什器の購入費、インターネット回線の引き込み工事費など、さまざまな初期投資が必要になります。
ただし、レンタルオフィスは長期的な目線で見ると賃貸オフィスに比べて割高に感じられるケースも少なくありません。そのため、初期投資と月々のランニングコストを総合的に比較検討し、トータルコストが最も効率的な選択肢を選ぶことが重要です。
1-3.設備やサービスの違い
レンタルオフィスと賃貸オフィスでは、利用できる設備やサービスにも大きな違いがあります。
レンタルオフィスは、デスクや椅子、高速Wi-Fi、プリンター、複合機、さらには会議室など、業務に必要な設備があらかじめ完備されているのが一般的です。さらに、受付サービスや郵便物の受け取り、清掃サービスといった便利なサービスが提供されているケースも多く、入居したその日からすぐに業務を開始できます。そのため、設備準備の手間や初期投資を大幅に削減できるだけでなく、日々の雑務に煩わされることなく、本業に集中できるという大きなメリットがあります。
一方、賃貸オフィスは、基本的に設備が何もない状態からスタートすることが多く、デスクや椅子はもちろん、インターネット回線の契約や内装工事、電話回線の設置など、すべてを自社で手配・準備しなければなりません。時間とコストがかかりますが、その反面、オフィスレイアウトや設備を完全に自由にカスタマイズできるという利点があります。
コストや手間を抑えて迅速に業務を開始したい場合はレンタルオフィス、自社のブランドイメージを反映したオリジナルのオフィスを構築したい場合は賃貸オフィスが適した選択肢だといえるでしょう。
1-4.プライバシー・セキュリティ面の違い
オフィス選びにおいて、プライバシーとセキュリティは企業の情報資産を守る上で不可欠な要素です。
レンタルオフィスは、複数の企業が同じフロアや建物内に同居するため、インターネット回線や複合機などのインフラを共有するケースが多く、これがプライバシーやセキュリティ上の制約となる可能性があります。たとえば、ネットワークの設定変更やセキュリティポリシーの適用が自由にできない、あるいは共有スペースでの機密情報の取り扱いに細心の注意が必要となるケースが考えられるでしょう。また、原稿や資料の置き忘れなど、偶発的な情報漏洩リスクも高まる可能性があります。
一方で賃貸オフィスは、オフィス全体を自社だけで利用するため、ネットワーク環境やセキュリティシステム、入退室管理などをすべて自社のセキュリティポリシーに基づいて自由に構築・管理できます。そのため、情報漏洩のリスクを最小限に抑え、企業の機密情報を確実に保護することが可能です。ただし、自社でセキュリティシステムを構築するには、専門的な知識と相応のコストがかかります。
レンタルオフィスを利用する際は、事前にセキュリティ体制を確認するとともに、共有スペースでの情報管理に十分注意を払わなければなりません。一方、自社のセキュリティポリシーを厳格に適用したい企業や、高度な機密情報を扱う企業には、賃貸オフィスがより適しているといえるでしょう。
2. レンタルオフィスのメリット
レンタルオフィスとは、業務に必要な機能を備えた賃貸オフィスのことです。 レンタルオフィスは賃貸オフィスと同じようなものと思われることが多いですが、その形態には独自のメリットや特徴があります。まずは、レンタルオフィスのメリット・特徴をチェックしていきましょう。
2-1. 一般的な賃貸オフィスよりも安い費用で借りられる
レンタルオフィスには、賃貸オフィスに比べて賃貸費用が安いという特徴があります。 同一のエリアで賃貸オフィスとレンタルオフィスの価格を比較した場合、レンタルオフィスのほうが安くなることがほとんどです。レンタルオフィスの中には駅前の物件などもあり、こういった物件を選べば都心の一等地にオフィスを構えることができます。アクセス良好な物件であるにもかかわらず賃貸費用が抑えられているケースも少なくありません。レンタルオフィスの契約の際には敷金や礼金が発生しないケースもあり、初期費用を抑えながら効率よく事業をスタートさせられるのがレンタルオフィスの魅力です。
2-2. デスクや機器を準備する必要がない
レンタルオフィスにはデスクや椅子、コピー機といった各種設備が設置されているのが一般的です。これに対して賃貸オフィスの場合には、これらの設備を自社で準備する必要があります。 家具や什器、機器などを用意することなく使い始められるのは、レンタルオフィスならではの特徴です。オフィスに必要な物品を用意するのが難しいときには、既に設備が整っているレンタルオフィスを選んでみましょう。
2-3. すぐに利用を開始できる
レンタルオフィスの大きな特徴として、手続きや契約などが比較的簡単にできるという点が挙げられます。 賃貸オフィスを利用するときには内装工事などの対処が必須ですが、既に内装が整っており家具や機材も設置されているレンタルオフィスであれば、内装に手をかける必要がありません。結果として、スムーズに事業をスタートさせることができます。 レンタルオフィスの契約にかかる時間は業者によって異なりますが、早ければ数日間で契約を済ませ、事業をスタートさせられることもあります。
3. レンタルオフィスの注意点
レンタルオフィスを利用する際には、注意すべきポイントもあります。ここでは、レンタルオフィスの注意点について解説します。
3-1. 共有スペースでの機密保持に注意する
レンタルオフィスを有効活用するためには、共有スペースでの情報管理に細心の注意を払う必要があります。共有スペースは利便性が高い反面、機密情報が外部に漏れるリスクを常に意識しなければなりません。
たとえば、会議室や廊下、ラウンジといった共用スペースでは、複数の企業が同じ空間を共有するため、意図せず会話や情報が他社の耳に入る可能性があります。電話での打ち合わせ中に重要な顧客名や事業計画を話したり、休憩スペースでプロジェクトの進捗状況を話したりすると、周囲にいる他社の利用者に情報が漏れてしまうリスクも考えられるでしょう。
また、会議室のホワイトボードに書き残した内容や、印刷した資料を置き忘れるといったヒューマンエラーも、機密情報が流出する大きな原因となり得ます。
機密性の高い情報を取り扱う際は、プライバシーが保たれた個室を利用する、あるいは共有スペースでの会話内容に配慮するなど、事前のルールを設けておくことが重要です。
3-2. プランによってコストが高くなる可能性がある
レンタルオフィスは初期費用を抑えられる点がメリットですが、プランや利用方法によってはコストが高くなる可能性があるため注意が必要です。
表示されている月額料金は最低限のサービスに限定されていることが多く、追加のオプション利用で費用が加算されるケースも少なくありません。たとえば、会議室の利用料が時間課金制であったり、郵便物の受け取りや電話代行サービスが追加料金であったりするのが一般的です。
また、インターネット回線の速度アップグレードや、複合機の利用料が従量課金制になっていることもあります。こうしたオプションをすべて利用すると、最終的な月額総額が当初の想定を大きく上回ってしまうこともあるでしょう。特に、来客や会議が多い企業では、会議室の利用料が思わぬ出費につながる可能性もあります。
そのため、契約前には見積書や詳細な条件をよく確認し、自社に必要なサービスを洗い出した上で、総額での比較検討を行うことが非常に重要です。見かけの安さだけに惑わされず、自社のニーズに合った最適なプランを見極めることが、コスト効率の良いオフィス運営につながります。
3-3. 内装やデザインを自由にカスタマイズできない
レンタルオフィスは、多くの場合内装やデザインを自由にカスタマイズできません。たとえば、企業のブランドカラーに合わせた壁の色に変更したり、ロゴを大きく掲示する看板を設置したり、独自の空間演出を施したりすることは難しいです。
そのため、企業のブランドイメージを強く打ち出したいと考える企業や、独自の企業文化を空間で表現したい企業の場合には、そのカスタマイズ性に物足りなさを感じる可能性もあるでしょう。
もしもオフィスを単なる業務スペースとしてだけでなく、企業のアイデンティティを表現する場としても重要視するのであれば、内装を自由に設計できる賃貸オフィスの方が適しているかもしれません。レンタルオフィスを選ぶ際は、既存のデザインが自社のイメージに合っているかどうかを事前に確認することが大切です。
4. 賃貸オフィスのメリット
続いて、賃貸オフィスのメリットや特徴を解説します。レンタルオフィスとどのような点で違いがあるのか、詳しくチェックしていきましょう。
4-1. 内装を自由に変更しやすい
賃貸オフィスの魅力は、契約の範囲内であれば自由に内装を変更できるという点です。 レンタルオフィスは既に内装を整えてあることがほとんどで、契約後に内装を自分好みに変更するなどの対処はできないのが一般的です。 しかし、賃貸オフィスは場所貸しという形式なので内装に関する自由度が高く、好みの内装レイアウトを施すことが可能です。賃貸オフィスを選べば、ブランドイメージに応じたデザインでこだわりを表現できます。
4-2. 大人数に対応しやすい
賃貸オフィスを借りれば、ビルの一室やワンフロアなどある程度まとまった面積を確保できます。レンタルオフィスに比べてオフィスの面積が広いため、大人数で働くことも十分可能です。 近い将来組織を大きくする見通しがある場合、広さに余裕のある賃貸オフィスの利用が適するかもしれません。 一方、中には10〜20名など大人数向けのレンタルオフィスもあるので、さまざまな物件を比較してみましょう。
4-3. セキュリティ面で配慮されている
オフィスを構える際には物件のセキュリティ性にも着目すべきです。物件の状況にもよりますが、賃貸オフィスは1フロアに自社の社員のみが出入りすることが多く、セキュリティ性が高い傾向にあります。 レンタルオフィスはワンフロアに複数の会社が入居するのが一般的です。不特定多数が出入りするため、セキュリティ面に不安を感じることもあるかもしれません。 例えばパーテーションで区切っただけのレンタルオフィスの場合、会話の内容が外に漏れてしまう危険性があります。 より強固なセキュリティを確保したい場合には、セキュリティ対策がしっかりしている賃貸オフィスが適しています。
5. 賃貸オフィスの注意点
賃貸オフィスを利用する際に注意すべきポイントも知っておきましょう。ここからは、賃貸オフィスの注意点を紹介します。
5-1. 初期投資・ランニングコストが高額になりやすい
賃貸オフィスは家賃以外に敷金や礼金といった契約費用、さらには内装費や設備導入費など、入居までにさまざまな費用が発生します。
たとえば、敷金(保証金)として家賃の数か月分、礼金として数か月分が必要になることが一般的です。これらに加えて、照明や空調の設置、パーテーションの設置、そしてデスクや椅子、複合機といった什器の購入費用がかかります。また、インターネット回線の工事費や電話回線の設置費用など、インフラ整備もすべて自社で行う必要があるため、これらの費用を合計すると、予想以上にかさむことも少なくありません。
したがって、賃貸オフィスを検討する際は、家賃だけでなく、これらの初期費用や長期的なランニングコストも含めたトータルコストで検討し、事業計画に照らして無理がないか慎重に判断することが重要です。
5-2. 契約期間が長く柔軟性に欠ける傾向にある
賃貸オフィスは、契約期間が長く柔軟性に欠ける傾向にあるという点も注意が必要です。
賃貸オフィスの契約は通常2年などの長期間に設定されることが多く、短期での解約には違約金や制限が設けられていることがほとんどです。たとえば、事業の拡大や縮小、働き方の変化といった将来的な計画の見直しが必要になった場合でも、残りの契約期間によっては自由にオフィスを移転・解約することが困難なケースもあるでしょう。スタートアップや事業の方向性が流動的なフェーズにある企業にとっては、大きな負担となる可能性も否定できません。
そのため、賃貸オフィスを契約する際は、現在の事業規模だけでなく将来的な事業変化も想定した上で、契約期間や途中解約の条件を事前にしっかりと確認することが重要です。
5-3. 内装・什器・インフラ整備の手間がかかる
賃貸オフィスは基本的に設備が何もない状態からスタートするため、デスクや椅子といった什器、さらにはインターネット回線や電話などのインフラをすべて自社で用意し、設計する必要があります。また、内装業者や電気工事の業者、インターネットプロバイダーなど、複数の業者とのやり取りや選定作業も発生するでしょう
そのため、スタートアップにスピード感が求められる事業には不向きなこともあるため、事前の準備期間を考慮しなければなりません。加えて、これらの手配や管理には専門的な知識が必要となり、相応の労力がかかることも想定しておく必要があります。
準備の手間やコストを最小限に抑えたいと考えるのであれば、あらかじめ設備が整っているレンタルオフィスの方が適しています。
5-4. 退去時に原状回復費がかかることが多い
賃貸オフィスの契約には、退去時にオフィスを借りた時点の状態に戻す「原状回復」の義務が定められています。そのため、契約内容や管理規約を事前にしっかり確認し、原状回復費用も予算に組み込んでおくと安心です。
たとえば、入居時に設置したパーテーションを撤去したり、壁に開けた穴を塞いだりするほか、床や壁の修繕、照明や空調の取り外しなど、さまざまな工事が必要になるでしょう。これらの費用はオフィスの広さや内装の状態によって大きく異なり、予想以上にかさむことがあります。事前の計画を怠ると、退去時に多額の費用を請求され、経営を圧迫する可能性も否定できません。
賃貸オフィスを契約する際は、入居費用だけでなく退去時にかかる費用も事前にリストアップし、総額でのコストを把握しておくことが大切です。
6. オフィス選びで失敗しないためのチェックポイント
オフィスを選ぶ際に、確認しておきたい項目もあります。ここでは、オフィス選びで失敗しないためのチェックポイントを紹介します。
6-1. 契約期間と更新条件を確認する
オフィス選びで失敗しないためには、契約期間と更新条件を事前にしっかりと確認することが重要です。
契約期間だけでなく、途中解約の条件や契約更新時の費用なども事前に把握しておくことで、将来的な事業の計画を柔軟に立てられます。たとえば、事業が予想以上に成長し、オフィスの拡張が必要になった場合でも、解約予告期間や違約金の有無を事前に把握していればスムーズに移転の計画を立てられるでしょう。
逆に、事業の縮小や新しい働き方の導入でオフィスが不要になった際も、解約条件を理解していれば無駄なコストを抑えることが可能です。また、契約更新の際に家賃が改定されるケースもあるため、更新費用の有無や条件も確認しておくことが、長期的なコスト計画を立てる上で欠かせません。
契約期間だけでなく、解約・更新に関する詳細な条件を事前にチェックすることは、柔軟な事業運営を実現するうえで重要な情報となります。
6-2. 初期費用と解約時費用の全体像を把握する
オフィス選びの際は、初期費用だけでなく解約時の費用も含めたトータルコストの全体像を把握することが不可欠です。入居から退去までにかかるすべての費用をリストアップしてみましょう。見かけ上の安さだけに惑わされず、事業活動を通して発生するすべての費用を網羅的に把握することで、予算を正確に管理できます。
たとえば賃貸オフィスの場合、契約時にかかる敷金・礼金・仲介手数料に加え、内装工事費や什器購入費、そして退去時にかかる原状回復費なども考慮する必要があります。一方、レンタルオフィスの場合も、基本料金に加えて、会議室や郵便物の受け取りサービスなどのオプション利用で月額費用が変動するため、これらの費用も加味して比較検討することが重要です。
オフィス選びは単に家賃を比較するだけでなく、入居から退去までの一連の費用全体を把握する長期的な視点が大切です。
6-3. 将来的な事業規模や働き方を見据える
オフィスを選ぶ際は、現在の状況だけでなく将来的な事業規模や働き方の変化をしっかりと見据えることが重要です。成長を見越した選択をすることで、将来的なオフィス移転の手間やコストを抑えられます。
たとえば、将来の増員に対応できるスペースがあるか、あるいは柔軟に拠点を増加できるかを事前に確認しておきましょう。また、リモートワークやハイブリッドワークといった新しい働き方を導入する計画がある場合には、個別のデスクだけでなく、オンライン会議用のブースや共有スペースの有無も重要な判断基準となります。
数年後の姿を具体的にイメージし、それに合ったオフィスを選ぶことが、事業の持続的な成長に貢献します。
6-4. セキュリティやプライバシーの要求水準を明確にする
オフィス選びでは、自社の業務内容に合わせてセキュリティやプライバシーの要求水準を明確にしておきましょう。
情報漏洩リスクの許容範囲は選定の大きなポイントとなるため、事前に水準を洗い出しておかなければなりません。業務上扱う情報の機密性によって、必要なセキュリティ対策が大きく変わります。
たとえば、顧客の個人情報を扱う機会が多い事業や、機密性の高い研究開発を行う事業の場合、高度な入退室管理システムや、防音性の高い個室が必要になるでしょう。このような場合、複数の企業が共有スペースを利用するレンタルオフィスではセキュリティが不十分と感じるかもしれません。
一方、機密情報をあまり扱わない事業であれば、共有スペースの利用を前提としたレンタルオフィスでも問題なく、コストメリットを享受できます。オフィスによっては、専用のサーバーラック室やセキュリティカメラ、入退室ログの管理体制が整っているため、どこまでが必要かを事前に明確にしておくことが重要です。
自社の業務内容と照らし合わせ、どの程度のセキュリティやプライバシーが必要かを見極めることで、情報漏洩リスクを最小限に抑え、安心して業務に集中できる最適なオフィスを選べます。
6-5. 内装・設備にどこまでこだわるかを明確にする
オフィスを選ぶ際には、内装や設備にどこまでこだわるかを事前に明確にすることが大切です。
たとえば、企業のブランドイメージを強く打ち出したい、あるいは従業員のクリエイティビティを刺激するようなデザイン性の高い空間を追求したいのであれば、内装を自由に設計できる賃貸オフィスが適しています。しかし、その自由度と引き換えに、内装工事や什器の選定、インフラ整備に多くの手間やコストがかかることを覚悟しなければなりません。
一方、装やデザインに大きなこだわりがなく、初期費用を抑えてすぐに業務を開始したいのであれば、あらかじめ設備が整っているレンタルオフィスが適しています。
デザイン性や実用性、コストといった要素のバランスを事前に検討し、自社の優先順位を明確にすることで、理想のオフィス像と現実的な選択肢とのギャップを埋められます。
7. レンタルオフィスと賃貸オフィスのどちらを利用すべき?
起業の形態や初期費用などの条件によって選ぶべきオフィス物件のタイプは異なります。どのような点を重視するのかを考え、レンタルオフィスと賃貸オフィスどちらにするか見極めるべきです。 ここからは、レンタルオフィスと賃貸オフィスのどちらが向いているかについてチェックしていきましょう。
7-1. レンタルオフィスが向いているケース
レンタルオフィスは、初期費用を抑えて起業したい方・すぐに業務を開始したい方・拡大縮小の柔軟性を重視する方に向いている形態です。フリーランスや個人事業主が小規模の起業をしたいときにも、レンタルオフィスは向いています。 賃貸オフィスに比べて初期費用を抑えられるレンタルオフィスであれば、起業にあたって資金不足に悩んでいる方でも無理なく事業をスタートさせられます。敷金や礼金などの費用がかからないレンタルオフィスを選び、さらに初期費用を抑えるのも有効な方法です。レンタルオフィスには家具や会議室といった設備も揃っているため、入居後すぐに業務を開始できる点も魅力です。
また、将来的な組織の拡大を考えている場合もレンタルオフィスが向いています。同じレンタルオフィス施設内の規模の異なる個室に移転することができればオフィス面積の調整もスムーズです。移転する場合でも、一般的に原状回復工事が必要なく、退去時にかかるのは主にクリーニング費用のみなので、費用面の負担も比較的軽く済みます。
7-2. 賃貸オフィスが向いているケース
賃貸オフィスは、従業員数が多い場合や内装工事の自由度を重視する方に適した形態です。多くの賃貸オフィスには十分な面積が確保されているので、ゆとりあるスペースの中で快適に仕事を進めていけます。 賃貸オフィスでは、内装や家具、備品などの種類やレイアウトを自由に変更することも可能です。従業員の声や自社のブランドイメージを反映した内装に仕上げられるのは、賃貸オフィスならではの良さです。 ただし、賃貸オフィスの内装デザインやレイアウトには一定の費用がかかる点には注意が必要です。賃貸オフィスは、ある程度資金がある事業者が安定した拠点を設けたい場合に適するでしょう。
まとめ
レンタルオフィスと賃貸オフィスにはそれぞれ違った特徴があります。契約にかかる費用面や内装の状態のほか、セキュリティ面なども異なります。 一般的に、企業の規模が小さく従業員数が少ない場合にはレンタルオフィスを、ある程度の規模や実績がついてきた段階では賃貸オフィスを選ぶのが適しています。オフィス選びに迷ったときにはいくつもの物件を比較検討するなど工夫し、自社に合ったオフィスを見極めましょう。
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