博士・大学院生のキャリアに寄り添う、アカリクの挑戦
株式会社アカリク
栗田 様
・ご利用拠点:クロスコープ渋谷
・入会時期:2025年12月~

― まず、アカリクの事業内容について教えてください
(栗田様)アカリクは、博士や大学院生を中心とした高度専門人材の採用支援に取り組んでいる会社です。もともとは博士課程に在籍中の創業者が立ち上げた会社で、博士人材が民間企業で活躍できる場が限られているという課題意識からスタートしました。現在は、企業と高度専門人材のマッチングを軸に、人材紹介、ダイレクトリクルーティングサービス、採用イベントの運営という三つの柱を中心に事業を展開しています。それに加えて、全国の大学、特に地方大学を中心に「アカリクラウンジ」というキャリアスペースを展開したり、登録学生の知識や知見を企業の課題解決に活かす「アカリクギルド」といった、採用以外のプラットフォームも運営しています。また、大学や国と連携し、キャリアセミナーの実施や、博士のロールモデルをまとめたガイドブック制作事業への参画など、高度専門人材のキャリア形成全体を支援する取り組みも行っています。
― 「アカリク」という社名には、どのような想いが込められているのでしょうか。
(栗田様)「アカリク」という社名は、「アカデミー」と「リクルートメント」を掛け合わせた言葉です。高度専門人材、博士、大学院生など、呼び方は場面によって異なりますが、共通しているのはアカデミックなバックグラウンドを持つ人材であるという点です。そうした人材の就職・採用を支援することを、そのまま社名として表現しています。研究というと、アカデミアに残る道が強くイメージされがちですが、民間企業でも研究で培った力を活かせる場は多くあります。その可能性を広げたいという思いが、この社名には込められています。高度専門人材が社会で活躍することが当たり前になる世界を目指し、事業を続けています。
― 栗田様ご自身は、現在どのような業務を担当されているのでしょうか。
(栗田様)私は、企業と学生のマッチング支援の中でも、人材紹介以外のサービス全般を扱う採用コンサルティング事業部に所属しています。具体的には、スカウトサービスや採用イベントの運営を中心に、企業側の採用課題を把握し、それを解決するためのソリューション提案や、自社ツールの活用支援を行っています。主に関わるのは企業側ですが、企業がどのような人材を求めているのか、どこに課題を感じているのかを丁寧にヒアリングしながら、高度専門人材との最適なマッチングを考えていく役割です。採用課題は企業ごとに異なるため、画一的な支援ではなく、状況に応じた支援を行うことを大切にしています。
― アカリクに入社されたきっかけについて教えてください。
(栗田様)前職では、障害者支援を主に扱う人材系の会社に5〜6年ほど在籍していました。人材ビジネス自体にはやりがいを感じていましたが、トップダウン色の強い組織で、新しい取り組みがなかなか受け入れられない環境に課題を感じていました。採用トレンドが変化していく中で、サービスや考え方がアップデートされないことが、結果的にお客様の支援につながりにくいと感じる場面もありました。そうした経験から、ボトムアップで新しいことに挑戦できる環境で、人材という軸をぶらさずに働きたいと考えるようになりました。科学や研究という分野は当時あまり馴染みがなかったのですが、過小評価されがちな人材の可能性を引き出すという点で、前職の経験とも重なり、アカリクに魅力を感じて入社を決めました。
― 大学院生が就職活動で直面しやすい課題は、どのような点にあるとお考えですか。
(栗田様)博士課程の学生などは、30歳前後で就職活動を迎えるケースも多い一方、日本では就業経験がない場合、新卒として扱われることがほとんどです。しかし、日本の採用はメンバーシップ型の色合いが強く、専門性の高さよりも、分かりやすいコミュニケーション力や学生時代の活動歴が重視されがちです。そのため、研究で培った尖った専門性や思考力が、正しく評価されにくい状況があります。また、研究に重きを置いている学生は、就職活動を本格的に考える時期が遅くなりがちです。その結果、企業の採用活動がすでに進んでおり、選択肢が限られてしまうケースも少なくありません。加えて、研究が忙しく就活に割く時間がない、相談できる同期が少ないといった点も、大学院生特有の課題だと感じています。
― 企業側は、どのような観点で高度専門人材を評価しているのでしょうか。
(栗田様)必ずしも研究職に特化した企業だけが対象というわけではなく、「優秀な人材を採用したい」と考える企業が多い印象です。メーカーやIT、コンサルティング業界を中心に、専門性を評価する企業もあれば、研究活動を通じて培われた論理的思考力や課題解決力といったベーススキルに期待する企業もあります。研究活動はPDCAそのものです。仮説を立て、検証し、改善を繰り返すプロセスは、仕事の進め方と非常に近いものがあります。特に博士課程まで進んだ方は、そのサイクルを回しながら、これまで誰も答えを知らなかったことに挑んできた経験があります。そうした点を評価する企業が増えてきていると感じています。

― 現在、特に注力している事業領域はどこでしょうか。
(栗田様)現在、最も注力しているのはスカウトサービスです。企業と大学院生が直接つながる仕組みとして、引き続き力を入れていきたいと考えています。一方で、「アカリクラウンジ」のようなリアルな場については、まだ十分に活かしきれていない部分もあると感じています。オンライン中心の就職活動が進む中で、学生が納得感のある就活体験を得にくくなっている現状もあります。そのため、対面で企業や社会人と接点を持てる場の価値は、今後さらに高まるのではないかと考えています。アカリクラウンジについても、さまざまな活用方法を模索していきたいと思っています。
― 印象に残っている出来事や、やりがいを感じる瞬間を教えてください。
(栗田様)やはり、アカリクを通じて入社した学生が、やりがいを持って働いている姿を見られる瞬間は非常に嬉しいです。社内イベント「アカリクバー」では、実際にアカリク経由で就職した方々に来ていただき、入社の決め手や現在の仕事について話してもらう機会があります。以前、イベントをきっかけに、知名度の高くない企業と出会い、その企業の人柄や社風に惹かれて入社した学生がいました。研究分野とは直接関係のない仕事であっても、研究で培ったPDCAを活かし、満足して働いていると聞いたとき、「出会いのきっかけを作れた」という実感とともに、大きなやりがいを感じました。

― 採用業界全体の最近のトレンドについて、どのように感じていますか。
(栗田様)就職活動の早期化・長期化・オンライン化が同時に進んでいると感じています。企業が早い段階から学生と接点を持ち、内定を出す流れが強まる一方で、内定の承諾や辞退が繰り返され、採用活動がなかなか終わらない企業も増えています。オンライン化によって効率は上がりましたが、学生側の納得感が必ずしも高まっているとは言えません。その結果、内定を得ても迷いが生じやすくなっていると感じています。こうした状況の中で、より良い就活体験をどう提供するかが、今後の大きなテーマだと考えています。
― 入居前に抱えていた課題や背景にはどのようなものがありましたか?
(栗田様)近年、政府による博士人材の活躍推進や、産業界におけるDX、生成AI導入の加速などを背景に、私たちがご支援している大学院生・研究者の採用ニーズは急速に高まっています。そのような状況の中で、弊社ではより多くの方に支援を届けるべく、積極的に採用活動を行ってきました。その結果、2020年と比較して従業員数は2倍以上に増加し、本社オフィスが手狭になっていたことが、大きな課題としてありました。
― クロスコープを選んだ理由や決め手を教えてください。
(栗田様)本社に加えて拠点を拡大する形での利用だったため、本社(渋谷区渋谷2丁目)との往来のしやすさは、大きなポイントでした。また、基本的な設備が高品質で使いやすいことに加え、メンバーが他拠点の設備も利用できる点も魅力でした。弊社の採用コンサルタントやセールスは、日々クライアントと向き合う中で、さまざまな場所へ移動・訪問する機会が多くあります。そのため、複数拠点を柔軟に活用できる点が業務スタイルと非常に相性が良く、こちらも決め手の一つとなりました。
― 今後の事業展望や、挑戦していきたいことを教えてください。
(栗田様)大学院生にとっての就職体験そのものを、より良いものにしていきたいと考えています。研究を続けるか、就職するかで悩む学生に対して、急に選択を迫るのではなく、早い段階からキャリアを考える準備期間を提供できるような支援を強化していきたいです。大学生活を通じて、さまざまな体験を積みながら、自分なりのキャリア軸を形成できるよう、長期的な視点で伴走していく。その結果として、研究を続ける道も、民間企業で活躍する道も、どちらも前向きに選べる未来を目指しています。
― 最後に、アカリクで働くことに興味を持つ方へメッセージをお願いします。
(栗田様)アカリクは、組織や売上規模が拡大し、成長フェーズにある会社です。その中で、既存事業にとらわれず、新しい取り組みにも積極的にチャレンジしていきたいと考えています。年次に関係なく、社会課題の解決に向けて挑戦できる環境があるのは、当社の特徴です。高度専門人材の可能性を広げたい、採用やキャリア支援を通じて社会に貢献したいという想いを持つ方には、ぜひ一緒に取り組んでいただきたいと思っています。
株式会社アカリク
株式会社アカリク様は、高度専門人材という専門性の高い分野に長年向き合いながら、採用支援にとどまらない多角的な取り組みを展開されています。研究に打ち込む時間や経験を、社会での活躍につなげる仕組みづくりは、多くの学生や企業にとって大きな価値となっています。クロスコープとしても、単なるオフィス提供にとどまらず、アカリク様の挑戦と成長を支えるパートナーとして、今後も継続的にサポートしてまいります。
https://acaric.co.jp/