【レンタルオフィス入居者向けコラム】労働保険について

2010年9月1日

労働者(役員を除く)を1人でも雇い入れている事業主は、
労働保険の加入を義務付けられております。

労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」をまとめた総称で、
労災保険と雇用保険はその対象者に違いがあります。

■労災保険(労働者災害補償保険)の対象者
 全ての従業員
 例)正社員、パートタイマー等

■雇用保険の対象者
 従業員は原則として対象となりますが、一部に条件があります
 例)パートタイマーのうち、1週20時間以上&31日以上継続雇用される者


労災保険と雇用保険の対象者の賃金総額に、それぞれの保険料率をかけて、
前年度の確定保険料と今年度の概算保険料を計算した申告書を作成し、
申告書の提出と保険料の納付を7月12日までに行います。

この手続きを「労働保険の年度更新」といいます。


さて、概算で計算した今年度の保険料は、
来年の同じ時期に、すでに支払った確定の賃金総額から確定値を算出し、

・概算と比べて不足している場合 ⇒ 差額を来年度の概算金額と合算して納付
・概算の方が多かった場合 ⇒ 来年度分の保険料に充当、または還付請求

のどちらかで精算することになります。

年度の途中で、創業や労働者の雇い入れを開始し、
新たに労働保険の適用を受ける場合は、
「保険関係成立届」を労働基準監督署・ハローワークへ提出したうえで、
開始時から年度末(3月末)までの賃金を概算で算出し、
保険料を概算で納付することが必要です。

前払いとなりますので、その点も注意しましょう。

労災保険は、文字通り労働災害が起こったときに補償する「保険」なので、
事業主の観点では使わないに越したことはありません。

雇用保険は、労働者に対して、失業時の生活の安定及び就職の促進のために、
給付金を支給する源泉となるものです。

また、失業の予防や雇用状態の是正、雇用機会の増大、
労働者の能力の開発や向上等の社会的役割を果たす事業主に対しては、
「助成金」という形で支援するという一面ももっております。

保険料の料率は上昇しており、今後も上昇の一途をたどると予想できますが、
保険料の還元=「助成金」についての検討をはじめてみてはいかがでしょうか。