中小企業経営者500名の海外進出に関する調査レポート

2011年5月25日


「中小企業経営者500名へ海外進出に関する調査報告」

~全体の40%が海外進出済みか進出意向あり、進出対象国では中国、シンガポールが人気~


アジアでインキュベーションサービスを提供する未来予想株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役CEO:矢田 峰之、以下、当社)は、中小企業の経営者501名を対象に、「海外進出に関する調査」を実施いたしましたので、その調査結果をご報告いたします。

■調査概要
実施期間:2011年4月1日(火)~2011年5月13日(金)(43 日間)
調査方法:インターネット・オンライン調査
      ※経営支援ポータルサイト「MiraiZ.bz」会員登録時に実施
調査対象:20代~70代の中小企業経営者
※会員登録時の役職が「代表」「取締役」「社長」「役員」を含む経営層
※性別:男性87%、女性13%
※年齢:20代8%、30代34%、40代31%、50代19%、60代8%
※設立1年未満28%、3年未満16%、5年未満13%、7年未満6%、10年未満9%、10年以上28%
※従業員数5名未満64%、10名未満15%、20名未満9%、30名未満3%、50名未満4%、50名以上5%
有効回答数:n=501

■調査結果
●全体の40%が既に海外進出しているか、3年以内に海外進出を検討

 海外進出を検討しているかを聞いたところ、全体の22%は既に海外進出しており、10%が3年以内、8%が1年以内に海外進出を検討している。



社歴別に分析すると、既に海外進出しているか、今後、海外進出を検討している割合は、1年未満と3~5年未満で44%、1~3年未満で53%と、社歴が若い会社は海外進出に対して積極的である。
一方で、社歴5~7年未満では40%、7~10年未満で29%、10年以上で32%と、社歴が長くなると、海外進出には積極的ではなくなる傾向がある。


経営者の年齢別では、既に海外進出しているか、今後、海外進出を検討している割合は、20代で59%、30代で50%、40代で31%、50代で32%、60代で39%と、20代の経営者が極めて高い海外進出欲を持つ一方、40代以上の経営者は海外進出の意向が弱くなる。


●海外進出する理由としては、「成長マーケットの開拓」と「現地パートナーとの提携」    (複数回答)
海外進出する理由では、成長に必要な巨大なマーケットの存在(37%)、海外の有力なパートナーとの提携(23%)、日本で成熟した商品が海外では通用する(16%)と前向きな理由が多い一方で、日本の市場規模が縮小均衡(10%)、日本の競争環境が激化(9%)といった景気の先細りや市場の成熟化への先行き不安から、海外進出を目指す企業も存在している。
また、日本での法規制や業界規制が厳しいから(3%)や海外での株式公開を検討(2%)といった少数意見も見受けられた。


●海外進出候補地としては、中国が31%、ASEANではシンガポールがダントツ人気
海外進出候補地としては、中国が31%と最も需要が多く、次いでASEAN29%、米国15%と続く。
今後、大きく成長を期待されているインド、アフリカ、南米への進出を検討する企業はまだ少数派である。


中国に次いで2位のASEANでは、既に海外進出している企業の進出先ではタイが29%で最も多く、次いでベトナム24%、シンガポール23%と続く。
一方で、今後、ASEANへ進出したい経営者の考える候補国は、シンガポールが55%と断トツで人気が高く、2位のタイ18%を大きく引き離した。


●海外進出への不安としては、全体的に「現地の法規制や業界規制への不安」が多く、海外進出済みの企業では、「雇用や人材マネジメントへの不安」が多く、海外進出検討中の企業では「言語への不安」が多い傾向
海外進出への不安な点としては、全体的に現地の法規制や業界規制が分からない(26%)と最も多く、事業を開始するために必要な情報が不足していることが分かる。また、現地パートナーとの関係維持に不安を感じている経営者も多く、海外進出における現地パートナー企業の存在を重要視している傾向が推察される。
その他に、既に海外進出をしている経営者が抱える不安としては、現地での雇用やマネジメント(20%)が多く、海外での現地雇用における課題が大きいことが分かる。
一方で、今後、海外進出を検討している経営者は、言語の壁(20%)と外国語の習熟度への不安からコミュニケーションに不安を感じているのが分かる。但し、既に海外進出している経営者では、言語への不安を感じている人は7%しかおらず、海外進出することでコミュニケーションへの不安は解消される傾向にある。


●海外進出時の会社設立の形態では、自社経営と現地パートナーとの共同経営で意見が割れる
海外進出する際の法人設立パターンとしては、自社100%子会社を現地に設立(27%)、現地企業にマイノリティ出資(25%)、日本法人の支社や営業所を開設(24%)、現地企業との合弁会社を新たに設立(18%)と、大きく4つのパターンに分かれた。
各企業の経営方針に依存するところであるが、海外進出した現地においても自社で経営をコントロールすることを希望する経営者と、現地パートナーと共同経営もしくは業務上のパートナーシップを希望する経営者に分かれる結果となった。


以上