起業家のレンタルオフィスに関する意識調査レポート

2010年12月16日

「起業家のレンタルオフィスに関する意識調査レポート」
~起業家の65%がレンタルオフィス入居に抵抗がないが、20代の若い起業家は消極的~

起業家を支援するレンタルオフィス「CROSS COOP」が起業家を対象に、
「起業家のレンタルオフィスに関する意識調査」を実施いたしましたので、その調査結果を発表いたします。

■調査概要
実施期間:2010年7月22日(木)~2010年8月18日(水)(28日間)
調査方法:インターネット・オンライン調査
      ※経営支援ポータルサイト「MiraiZ.bz」会員登録時に実施
調査対象:20代~70代の起業家
※会員登録時の役職が「代表」「取締役」「社長」「役員」を含む経営層
※設立1年未満27%、3年未満23%、5年未満9%、7年未満9%、10年未満7%、10年以上25%
※従業員数5名未満66%、10名未満15%、20名未満9%、30名未満4%、50名未満3%、50名以上3%
有効回答数:n=328

■調査結果
●起業家の65%はレンタルオフィスへの入居に抵抗がない。

 起業家にレンタルオフィスに入居に対して抵抗があるかを聞いたところ、非常にある(17%)、ある(18%)、
 あまりない(34%)、全くない(22%)、個室なら良い(9%)となり、全体の65%は入居に抵抗がない。


また、「起業年数別」、「従業員数別」、「年齢別」、「上場志向別」、「地域別」の属性別に集計・分析したところ、以下のような結果となった。


レンタルオフィスに対して抵抗がない企業の傾向として、起業してから3~5年(71%)、5~7年(77%)の企業、企業規模が従業員数1~5名(67%)、
21~30名(75%)の企業、神奈川、千葉、埼玉県の企業(74%)、その他地方企業(65.5%)が挙げられる。
⇒起業から3年以上経過し経験を積むことでオフィスコストへの意識が高まり、レンタルオフィスのメリットを理解するようになるのではないかと推察。
⇒1~5名の少人数の企業だけではなく、21~30名規模の企業もレンタルオフィスを利用することに対する抵抗が弱い。
現状、少人数専用のレンタルオフィスは多いが、20名規模を収容できるレンタルオフィスは少ないため、レンタルオ フィスを利用したくても利用できない企業がいるのではないか。
⇒31名以上の規模になるとレンタルオフィス利用への抵抗が強くなる。他社とシェアするのが物理的に難しい規模。




逆に、レンタルオフィスへの入居に対して抵抗を持つ起業家の特性として、年齢が20代(非常にある26%)、起業年数1年未満(非常にある24%)、上場を目指している企業(非常にある46%)があげられる。
⇒年齢と共に抵抗が弱くなるが、起業したばかりの若い起業家は、自分だけの城(オフィス)を持ちたいという願望が強く、
他社と同居するスタイルのレンタルオフィスに抵抗を感じると推察。


●オフィス移転候補先にレンタルオフィスを考えられる起業家が41%と、考えられない27%を大きく上回る



 起業家にレンタルオフィスも移転先候補になるかを聞いたところ、考えられる(41%)、分からない(32%)、考えられない(27%)と続いた。
 ⇒レンタルオフィスを移転先として考えられる起業家の割合が多く、徐々にレンタルオフィスの活用方法が認知されている。



 レンタルオフィスを移転先候補として考えられると答えた企業を従業員数別で分析すると、従業員数が1~5名規模(46%)、
 6~10名規模(41%)、11~20名規模(32%)と、従業員数が増えるに従いレンタルオフィスを移転先として考えられる企業の割合は減少している。
⇒現実的には1~20名までの企業では移転候補先として考えられるが、それ以上の規模では現実的には難しい、と考えている傾向にある。



続いて現時点で利用しているオフィス形態別で分析すると、バーチャルオフィス(75%)、公的なインキュベーションオフィス(50%)、
レンタルオフィス(50%)、自宅(50%)、SOHO型マンション(44%)、他社に間借り(44%)と続いた。
⇒既にレンタルオフィスや公的なインキュベーション施設を利用している起業家以外は、自宅やSOHO型マンション、他社に間借りしている起業家は
レンタルオフィスを移転候補先として考えており、賃貸オフィス、自社ビルを利用している人は考えにくい傾向がある。



●レンタルオフィスのメリットは、「コスト抑制」に集中


起業家にレンタルオフィスのメリットで最も魅力的なものを聞いたところ、利用料が安い(27%)、1人から入居できる(23%)、敷金がない(13.7%)が大きく占め、
続いて、内装・NW・電話工事が不要(8%)、清掃してくれる(8%)、什器・設備の購入が不要(5%)、受付スタッフ(5%)という結果となった。
⇒オフィスにかかるランニングコストやオフィス開設にかかるイニシャルコストの抑制、オフィス開設に伴う諸手続きや工事などの手間暇が軽減されるメリットが最も大きい。
⇒少人数の企業では手が回りにくい、オフィス内の清掃や受付(秘書サービス)などの人的サービス面への評価も高い。





●オフィスの付帯サービスとして欲しいのは、断トツで「経営相談」。


起業家に入居するオフィスに欲しい付帯機能やサービスを聞いたところ、経営相談(101件)、電話代行(81件)、受付代行(62件)、
荷物受け取り・転送(50件)、記帳代行(44件)、法務チェック(38件)、フィットネス(39件)、営業代行(35件)、セミナールーム(31件)と続いた。
⇒経営レベルの相談を気軽に出来る相手がいることや、社内の事務作業を代行して欲しいと考えている。
⇒特に少人数規模の企業でフィットネスが欲しいという健康志向もあった。少人数の企業では直接、フィットネスクラブと法人契約がしにくいためと推察。
⇒セミナールーム併設の要望もあり、特にオフィススペースを広く取れない東京では、セミナールームの併設を望む傾向にある。



●レンタルオフィスへの入居に抵抗がある理由として、「自分だけの城を持ちたい」という起業家の願望がトップ。


レンタルオフィスへの入居に抵抗があると答えた起業家にその理由を聞いたところ、自分だけの城を持ちたい(27%)、
セキュリティが心配(20%)、対外的な信用力が落ちる(16%)と続いた。

「自分だけの城を持ちたいから」を理由にあげる層として、20代の起業家(42%)、上場を目指している企業(69%)が強い傾向にある。 
⇒20代は経験がすくない分、自分だけのオフィスへのこだわりと願望が強いのではないかと推察。



 次いで現時点で利用しているオフィス形態別に分析すると、自社賃貸オフィスを利用している起業家は、「対外的な信用力が落ちる気がするから」(35%)と強く感じている。
⇒現在、賃貸オフィスに入居している起業家は、レンタルオフィスに移転すると対外的な信用力が落ちると感じている。